インターナルコミュニケーションは「ひとり広報」が担えるか?

インターナルコミュニケーションは「ひとり広報」が担えるか?

インターナルコミュニケーションという言葉をご存知でしょうか。

英和辞書によると、
internal:(組織の)内部の
communication:意見・情報などの)(…への)伝達,コミュニケーション
となっています。
つまり、社内コミュニケーションですね。

副業で関わるメンバーが増えたり、コロナ禍でリモートワークが進んだり…、メンバーが会社に対して求めることが変動していることに、お心当たりがある方も多いと思います。

近年、そうした就労環境にあった大きな変動背景も受け、社内のコミュニケーションに悩む企業が増える中、あらためてインターナルコミュニケーションが注目されていると感じることが増えました。

インターナルコミュニケーションの目的や、誰が担当するのか、「ひとり広報」が担うことの是非についてお伝えしていきます。

インターナルコミュニケーションに取り組む目的

大事なのはわかりながらも、ゴールのイメージをハッキリさせてから取り組みたいのがコミュニケーション施策ですよね。

いくらでも工数をかけることができますし、むやみやたらにコミュニケーションの量が増えたから正解というものでもなさそうです。

では、インターナルコミュニケーションの目的とは何なのでしょうか。

企業のステージ(社員数・事業の大きさ)や業界の環境、組織の課題によって掲げるべきものは違いますが、多くの企業で挙げられるものを列挙します。

・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)/パーパスの浸透や再構築
・現場の経営課題の吸い上げ
・現場からの意見を届ける
・組織間/組織内の連携の強化、信頼の構築
・リテンション/モチベーション向上 など

どれも1つのレイヤー/組織でおさまるものではないのがわかるかと思います。それぞれの企業がその時点・中長期の経営課題を棚卸しして、社内の複数の組織を横断しながら活性化させることが必要です。

つまりインターナルコミュニケーションは、「コミュニケーション」ですので、当然ながら相互の情報交換が重要になります。

インターナルコミュニケーションは誰が担当していくのか

インターナルコミュニケーションを担うことが可能な組織は、その他の様々な横断業務と同様、部門や職掌の観点からいくつか挙げられます。

・広報部
・人事部
・総務部
・マネージャークラスのタスクフォース
・新卒社員のタスクフォース

などがよく見られる例です。

「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担うべきか

「ひとり広報」の方からよくいただくお悩みに、「この仕事は私がやるべきなんでしょうか」というものがあります。この課題がおきがちな理由として、「ひとり」部門・「広報」部門には、様々な業務を渡す理由がつけやすいことが挙げられます。

だれがやっても良いんだけど、だれに任せよう?という業務の振り先として、「ひとり広報」は格好の対象です。気がつくとコア業務に割く時間がからめとられ、雑多な業務のディレクション担当のようになってしまうケースも多々見受けられます。

インターナルコミュニケーションの振り先についても、「ひとり広報」の方が担うべきか迷っていらっしゃるというご相談を受けます。では、「ひとり広報」が担うべきかどうかはどう判断すればいいのでしょうか。

「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担うべきケース

目安としてご助言している条件に、「広報担当に社内のPRネタが安定的に入ってくる環境が作れているかどうか」があります。インターナルコミュニケーションの推進部門には、その目的から他部門との交流・連携の深化が求められます。

つまり、「社内のPRネタが吸い上げできない」という、多くの「ひとり広報」が抱える課題の解決と同じものが求められるのです。

ですので、「社内のPRネタがうまく集められず、気が付いたらローンチされていた」というPR上の課題を感じる企業においては、インターナルコミュニケーションの請け先として広報部門が担うことは1つの選択肢となります。

しかし、「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担い続けることには無理があります。広報部門におけるコア業務がおろそかになる可能性があるためです。

工数的な負荷がかかりすぎ、チャンスロスにつながることが多いため、タスクフォースとして新卒社員などにサポートに入ってもらい、仕掛け作りから稼働開始までを広報がサポート、安定稼働は他部門が担う、というのが現実的だと考えられます。

「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担うべきでないケース

では、「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担うべきでないケースはどのような場合でしょうか。

先ほどと逆の状況、つまり、事業責任者などとの連携が既にできており、重要なPRネタがスムーズに集まる・連絡が来る状況になっているのであれば、工数がきわめて限られている「ひとり広報」がインターナルコミュニケーションを担う必要性は低いです。

どこかの部門が担うことにはなるので、できる限りのサポートを行うことは、中長期的には「ひとり広報」の仕事を助けてくれるかもしれません。

インターナルコミュニケーションは、組織の価値観のさらなる浸透や、拡大時のひずみを軽減する役割など、緊急性は高くないものの、重要性は高いです。

どの部門が担当するか、ひとり広報でも担うのか、判断条件は組織の状況によって異なり、ひとつではないため、参考としていただければ幸いです。

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