スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。
私が、PR会社勤め時代に、とても尊敬する先輩から教えられた事について、ご紹介したいと思います。
当時、ひたすらマスコミを回る職務についていました。メディアキャラバン専任スタッフ、プロモートスタッフというものです。ひたすらマスコミを回る職務なのですが、こちらから情報を持っていきつつも、ヒアリングすることをとても重要視していました。
例えば、
- 持っていった情報についてどう思うか
- 担当
- いつからここにいるのか
- 経歴
- 会社にいる時間帯、忙しくない時間帯
- メールやFAXはどれくらい1日届くのか
- どんな内容がすきか
- 最近担当した企画、記事、番組
- 今どういった企画があるのか
- 先々の予定
上記のような内容を、とにかく聞けるだけ聞いてこい!と言われ続けていました。当時、PR業界に入ったばかりで、右も左もわからぬまま、できる限りたくさん聞いてこよう!と気合を入れて毎日マスコミを回ったものです。
そして、もう1点、求められていることがありました。これが一番重要なのですが、
「今こんな企画があって、該当する情報を探しているから、御社でも協力してもらえませんか?」と、リクエストをもらって返ってくることを求められていました。
なので、面談したときには、「なんでも探すので、なんでも言ってください!」とひたすら言い続けていました。
すると徐々に、様々な人が探してほしいと声をかけてきてくれるようになりました。
例えば、
- 弁当男子という企画をしたいので、実際にお弁当を作って出社している人を探して!
- 都内の高層ビルでロケをしたいので、できるだけ高い場所にあるオフィスを貸してくれる企業を探してほしい
- 変わった趣味を持っている人
- 毎週末旅行している人
- 変わった自動販売機を教えてほしい
- 赤い変わったグルメ商品を作っている飲食店をどこかしりませんか?
- 日本唯一というなにかがある人・企業は?
- お見合いしたい30代の男女、身近にいませんか?
- 金メダルを取ったことがある人
- 働いているスーパーシニアを探してほしい
など、普通じゃなかなかいない、普通じゃ探せないようなこと・人を探してほしいと依頼を貰えるようになります。
こうして協力してくれる企業があるかは未知数ながら、ひたすら人、モノ、企業、情報探しを続け、貢献した結果、明らかに変わったことがありました。
何かと言うと、取材される確率が高くなったということです。
マスコミの依頼に応えるということは、とてもむずかしいものです。特にテレビを例にあげれば、日々の報道、番組の中では、芸能人以外でテレビに出ている人は、特別変わっている人・変化したことがある人、日本一・日本唯一の人、稀有・希少な人、優秀な人など、テレビで、今、取り上げる理由がある人しか出ることができません。
なので、こういった人を探し出すというのは、難易度も高いうえ、企業として露出に魅力がなければ、協力してもらうことも難しいのです。が、実際にとてもむずかしいリクエストに答えたり、実績をつくると、企業側が参加しやすい新しい企画ができたときに漏れなくご連絡をいただけるようになり、どんどん良い露出が獲得できるようになったのです。
またこのように信頼関係を構築できると、自社で開催しているセミナーにも講師として参加してくださるなど、非常に良い形で関係を築くことができました。
一方で、全く関係ないよと最初は見向きもしなかった企業も、中には協力してもいいかなという話題があったときには、難しい話題であってもリサーチに慣れたことで、協力してくれる機会が増えていきました。
また、このリクエストを対応し続けると、雑誌でもテレビでもある程度鉄板の企画、その時期に必ずくるリクエストなどがあり、傾向もつかめるようになります。
例えば年末のヒット企画、来年の予測、手帳の書き方の特集、輝く女性、文具系の特集など、必ず実施する企画があるのです。
傾向がつかめれば、事前にクライアントにリサーチをすすめることもできますし、厚みのある情報を戻すことができるので、採用される確度が高くなるのです。
先輩は相手を知ること、ヒアリング力を高めることは結果に確実につながる、ということを教えてくれたのでした。
ですので、とにかく意識してヒアリングすることをおすすめします。
ぜひ実践されてみてください。