スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。
広報PRにたずさわる人間には、高いコミュニケーション能力が求められます。ただし、これを単に、「話すのが得意」「プレゼン上手」と、一次元的に理解してはいけません。
広報活動の現場で、記者相手に、自社商品の魅力をこれでもかとまくしたてる広報マンがいますが、実は相手からするとうんざりなんです(これは、私が以前、編集者をしていたときの実感です)。トークが上手なのは良いことですが、それだけの広報マンは、はっきり言って二流です。
一流の広報マンは、それに加えて、高い「質問力」を持っています。「聴く力」「ヒアリング力」といってもいいでしょう。
メディアキャラバンやマスコミ関係者との会食でも、しゃべりすぎは禁物です。自分がしゃべるのは面会時間の3割くらいにおさえて、7割は、相手にしゃべらせるべきです。
では、質問して相手にしゃべらせる目的は何か。
それはズバリ、「情報収集」です。
広報活動はマスコミとの「情報戦」ですから、相手の正確な情報を多数持っている広報マンが有利です。情報収集には、例えば、こんな質問が有効でしょう。
- 「ご担当の分野はなんですか」
- 「最近注目されている取材テーマは?」
- 「担当されている連載コーナーはありますか」
↑ 質問の目的:
相手の興味関心を把握して、今後、適切な情報提供を行うため
- 「いつも何時頃に出社されるのですか」
- 「記事を書かれるのはいつも何時くらいですか」
- 「連絡はメールがいいですか?それとも携帯電話がいいですか?」
↑ 質問の目的:
相手の行動パターンを把握して、適切なタイミングと手段でコンタクトするため
- 「プレスリリースってご覧になりますか」
- 「どんなプレスリリースなら取材したくなりますか」
- 「プレスリリースをお送りするなら、FAXとメール、どちらがいいですか」
↑ 質問の目的:
プレスリリースに対する相手の考え方や対応方針を理解するため
- 「以前は、どんな部署にいらっしゃったのですか」
- 「今の部署に配属されて、どのくらいたつのですか」
- 「御社の記者さんのキャリアパスって、どんな感じなのですか」
↑ 質問の目的:
相手の記者の経歴や、異動の時期などを確認するため
- 「今の部署には、記者の方は何人くらいいらっしゃるのですか」
- 「企画会議はどのくらいの頻度でいつやっているのですか」
- 「取材するかどうかの決定権をもっているかたはどなたですか?デスク?編集長?」
↑ 質問の目的:
所属部署の組織体制や意思決定の仕組みを把握するため
これらの情報を把握すれば、今後、相手とのコミュニケーションがぐっと取りやすくなります。この情報こそが広報マン個人にとっての財産なのです。
一流の広報マンになるために、ぜひ「質問力」を磨いてください。