スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。
広報PRの仕事で新聞社の方にお会いすると様々な肩書きの方がいらっしゃいますよね。
例えば、
・「記者」
・「デスク」
・「キャップ」
これらは、全て新聞社で報道にたずさわる方の役職・肩書きですが、それぞれ社内での役割や仕事の仕方が全く異なります。
その違いをきちんと理解していないと広報活動はうまくいきません。
今回は、新聞社における肩書き別の役割についてまとめました。
記者
新聞社に対して広報活動(メディアリレーションズ)をする際、最も重視すべきは「記者」です。
記者は、新入社員からベテランまで、年齢も幅広く人数も多い。
自らネタを見つけ出し、それを元に原稿を書くのが彼らの仕事です。
基本的には個人で行動し、日中は外で取材を行い、夕方には編集部に戻って夜までに原稿を仕上げるという行動パターンをとっています。
組織や立場によって、上司に相談することなく、いつでもどのテーマを取材するかを個人の裁量で決定できる記者もいますが、デスクや編集委員ではない記者は、自分で取材対象を決めることが難しいことがあります。
取材ネタは主にデスクがまとめ、どの記者が取材に当たるかは組織内の指揮系統によって決まります。
ですが、各自に担当分野があるので、取材の依頼をする場合は「記者に直接」アプローチするのが自社の認知を持ってもらう意味も含め、効果的な方法です。
取材から原稿作成までは権限を持っていますが、最終的な原稿の掲載に関しては権限がないのがポイントです。
デスク
デスクは、記者の上司的にあたるポジションです。
記者から提出された原稿内容をチェックする立場にあたります。
部下の記事をチェックしながら、デスク自らも取材をし記事を書くこともありますが、記者と比べると、日中でも社内にいる事が多く、電話で簡単に連絡が取れます。
私の経験では、デスクに取材をお願いすると「部下の記者に取材を検討するように伝えておきますね」と言割れることが多いです。
その後、記者から取材の依頼があるかどうかは、情報のニュースバリューやタイミングによります。
最終的にニュースの大小の扱いを決めるのは、情報の価値を客観的に判断する整理部の仕事です。
キャップ
記者の中でリーダー的な役割を果たすベテラン記者のことを指します。
キャップは一般の記者とは異なり、部下の教育をしながら、チームで取材活動を行うことがあります。
一般の記者に比べて数は少なく、テレビドラマや小説では社内で一目を置かれ、影響力を強くもつ存在とされて描かれることも多く、スクープ取材など重要なミッションを任されるイメージがあります。
一方、人の少ない地方支局では、経験が豊富な(=勤務年数の長い)記者が自動的にキャップになることも多く、偶然にも3年目で最もベテランになり、後輩記者の勤務表を作成するなどの業務に従事するケースもあります。
ドラマや映画で、「デスク、この原稿は面白いので、紙面で大きく掲載してください」とキャップが進言すると、それが通るシーンがありますが、新聞社で扱いを決定する権限は整理部がもっており、記者だけでなくデスクにもありません。
実際のところ、キャップの発言力はベテランから若手まで異なります。
新聞社の方々との対応やメディアキャラバンをする際には、自社の情報提供に精一杯にならずに、相手の肩書きや業務内容にも関心をもって話を聞くと良いでしょう。