広報PRの成果を『広告費換算額』で評価するのは間違っている!?

広報PRの成果を『広告費換算額』で評価するのは間違っている!?

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

弊社クライアントの広報担当者から、以下のご相談をいただいたことがあります。
 


おかげさまで、定期的に取材が入り、少しづつマスコミ露出が増えてきました。

会社から、
「この広報PRの成果を客観的に評価して報告するよう」

と言われたのですが、何か良い方法はありますでしょうか。
 


 
広報PR活動の成果をどう測定し、評価するか。これはなかなか難しいテーマです。

広告であれば、「その広告によって商品がどのくらい売れたか?」ということで、費用対効果を測るのが普通だと思いますが、広報PRの場合にはそう簡単ではありません。

広報PR=マスコミ露出は、単に「商品が売れる」ということだけでなく、その企業に多様な効果をもたらすからです。
 

  • 広告でなく、記事で取り上げられることにより、商品・サービス・会社の信頼性が上がる
  • マスコミ露出が多い会社は、中小企業でも優秀な人材を採用しやすくなる
  • 既存社員の会社へのロイヤリティ(忠誠心)やモチベーションが上がる
  • 報道された自社商品の記事を営業用ツールにすることで、契約が取りやすくなる

このようにマスコミ露出は、「会社の信用力アップ」「人材の採用効果」「社員の士気向上」など多くの効果がありますが、これを客観的に数字で評価するのはなかなか難しい。

とはいえ、仕事として広報PRに取組む以上、何らかの評価基準は必要です。
そこで、PR業界では「広告費換算」という手法がよく使われます。

例えば、新聞に掲載された記事の大きさを測り、その大きさで広告を出稿したらいくらになるか、テレビ番組で放送された場合、CMの料金に換算したらいくらになるかを計算するわけです。

広告やCMは、媒体ごとに料金表がありますので、これならマスコミ露出の価値を金額で評価できます。ただし、私はこの手法には否定的です。

「広告」と「報道」は効果や影響力が全く異なるものですから、それを同じように比べるのは本質的に間違っていると思います。さらに問題なのは、マスコミ露出の数が多くなってくると、広告費換算を計算するのに多くの時間と手間がかかることです。

この時間と手間は無駄とはいいませんが、あまり生産性はありません。

そんなことをしているくらいなら、自分の時間を、マスコミ関係者に電話したり、会ったりするために使うべきでしょう。では、どうするべきか?

私のおすすめは、マスコミ露出の「件数」と「質」を評価基準にする方法です。

まず、四半期もしくは半年、1年単位で、マスコミ露出すべき件数目標を決めます。
同時に、その期間で露出したい媒体を決めます。(具体的な新聞や雑誌、テレビなら番組)
あとは、この目標が達成できたかどうかを評価するだけです。

これならほとんど手間がかけずに、客観的に広報活動の成果を測ることができます。
この手法を取る場合、難しいのは目標設定です。

年間に何件くらい、どんな媒体に露出するのが適正水準なのかは、業界や企業規模、商品力により全く異なりますので。

目標設定について、良い方法を教えましょう。

それは、皆さんの競合企業や類似企業、あるいはベンチマークしている会社が年間、どんな媒体に何件くらいマスコミ露出しているかを調べて、それをもとに目標設定することです。

まずは、マスコミ露出の数、質とも、ライバル企業を上回ることを、最初の目標にすれば良いと思います。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人