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ベンチャー広報です。
女性誌全体の特長の1つとして、「ターゲットとしている読者層が、非常に明確であること」が言えると思います。
ビジネス誌やテレビ、ラジオなどももちろん、自分たちがターゲットとするいわゆる「ペルソナ」を持っていますが、女性誌はそのペルソナ像が特にはっきりしていて、誌面に掲載する商品に大きく影響しています。
また、広報担当者にとって、ターゲット媒体を決める上では、出版社の垣根を超えて横並びで媒体を捉えることは非常に大切です。そこで今回は、講談社、集英社、小学館、光文社の4つの出版社から、それぞれの特長を解説してみたいと思います。
第1回目は20代向け雑誌の解説です。
講談社「with」
発行:月刊誌(毎月28日発行)
創刊:1981年8月
WEB:with online
20代(20~29歳)の読者が70%弱を占め、働く未婚女性をターゲットとしています。そのため、恋愛・結婚などの企画も多く、ファッションであれば「デート服」、美容であれば「モテコスメ」的な切り口も多いです(実際に最新号は「結婚」が大テーマで、ファッション、ジュエリー、インタビューがすべて結婚をキーワードに構成されています)。
表紙は石原さとみさん、白石麻衣さんなど、王道の「モテ女子」系の方が飾ることが多く、フェミニン系のちょっと甘いファッションやかわいい系メイクに強いです。20代の女性に「将来こんな女性になりたいな」と思う未来像を見せていて、「私が27歳だったころ。」という連載企画があるのも特長。オンライン含め、マネー系の記事は同年代媒体の中で一番多い印象があります。
集英社「MORE」
発行:月刊誌(毎月28日発行)
創刊:1977年5月
WEB:Daily MORE
「withを狙うなら当然MOREも」というくらい、ターゲット層はほぼ同じ20代の独身女性です。若干MOREの方が、30代読者が多いかもしれません。「のぼり坂OL」専門誌と謳っています。ちなみに「のぼり坂OL」とは、23歳~27歳です。
媒体のテイストはwithととても似ていて、ファッション・美容のほか、仕事やマネーなどの読み物企画充実。表紙は本田翼さん、佐藤栞さんなど、「かわいいけど明るく元気!」という印象の人が多く、ファッションもwithよりも寒色系カジュアルテイストが少し強い印象です。
MOREは、美容誌のように半期に一度ベストコスメ企画もありますので、20代向け美容系商品は、MOREのベスコスを狙うのもいいと思います。オンラインでは「ご当地モア」というコーナーがあり、地方の情報も掲載します。
小学館「CanCam」
発行:月刊誌(毎月23日発行)
創刊:1982年1月
WEB:CanCam.jp
20代働く女性向けの雑誌の中では、withやMOREよりもコンサバ系で、赤文字系媒体として「JJ」「ViVi」と並びかつては一世風靡。CanCamモデルだった蛯原友里さんに憧れた「エビちゃんOL」が街中に溢れました。ちなみに元々は女性セブンの別冊として創刊されたそうです。
with、MOREに比べて、同じ20代でも年齢層は少し若く、メイン読者層は社会人1~2年目なので20代前半、大学生の読者も多いです。とにかく「かわいい」「モテ」がキーワードになり、雑誌はファッションページが大半を占め、「デート服」コーディネイトがテーマになることも多数です。
マネーやライフスタイル系の読み物になる情報は、WEBで多く発信しています。女性誌の中では早くからメディアミックス展開をしていた媒体です。
現在発売している2021年8月号では、「CanCam Buzz Award」という読者700人による“バズったもの”をカテゴリーごとに紹介する、オリジナルのアワードがスタートしました。今後、「このアワードで選ばれること=20代で今流行っているもの」という指標になりそうです
光文社
光文社は、かつてCanCamと並んで赤文字系の代表だった「JJ」が、2020年末に発行された号で月刊を終了し、不定期刊行に。現在は、20代をコアターゲットにした媒体はありません。
20代後半以上をターゲットとしている「CLASSY.」がありますが、主な読者層は30代なので、30代編で解説したいと思います。
まとめ
20代向けの媒体は、WEBサイトで、マネーやキャリアについてしっかりと読み物記事が書かれることが多いので、アプリやキャリア向けのサービスなどは雑誌ではなくWEBへアプローチするといいと思います。
このように、同じ年代をターゲットとした媒体でも、それぞれ少しずつ特長が違います。女性誌での露出を目指すなら、まずはその特長を媒体分析で丁寧につかむことから始めましょう。
次回は30代編をお届けしようと思います。