ベンチャー企業・スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。
私達が情報源とする様々なメディアで、記者に加えて、ジャーナリストやライターの方の記事もよく目にします。広報PRパーソンであっても、ジャーナリストがどのような職業なのか、詳しく分かっていない方もいるかもしれません。そこで今回は、ジャーナリストについて解説いたします。
ジャーナリストの定義
基本、マスメディアに報道記事を寄稿する人や、テレビ報道の取材に関わる人を指します。報道以外の小説、漫画、宣伝・広告、読者欄へ寄稿する人はジャーナリストとは呼ばれません。
私がまだ20代のころ、米国での広報研修に行った時に、米国パブリックリレーションズ協会(PRSA)を訪問。米国のメディア事情についてレクチャー頂いた際、既に多くのジャーナリストが活躍されている現状を聞きました。
私が思うに、世界的に有名なジャーナリストは、ヘレン・トーマス氏(Helen Thomas)。ホワイトハウスで、ジョン・F・ケネディ以降の歴代11人ものアメリカ合衆国大統領の取材をしました。彼女は、ワシントン・デイリー・ニューズでの原稿運びから記者に昇進しましたが、雇用削減のため解雇されUPIに就職。その後フリーランスとして活躍された方です。
彼女にフォーカスしたテレビ番組が印象的で、大統領会見時に、前列の真ん中の定席にいて堂々と厳しい質問をする一方、時にはユーモアあふれる質問をして、“Theジャーナリスト”として取材されていました。誕生日がオバマ元大統領と同じ8月4日のため、彼女が89歳の2009年には、ホワイトハウスに招かれ共に誕生日を祝ったのは有名な話です。
米国政府機関が記者会見に参加するためには、メディアパスの発行という基準が存在しています。ホワイハウスは、記者協会加盟各社に対し、取材証を発行。記者室の席順もあらかじめ決められています。この中には、彼女のようなジャーナリストも取材しています。
国内では、首相会見のテレビで、時々フリーのジャーナリストの方が質問されているのを見ます。基本的な事を知るには、公益社団法人日本ジャーナリスト協会について調べてみて下さい。
フリージャーナリストになるのはどんな人?
最近は、特定の団体に所属していないジャーナリストとして「フリージャーナリスト」の方も増えています。皆さんが知っているジャーナリストの方々は、新聞・雑誌社、テレビ局、ネットメディアでジャーナリズムの実務経験を積んだ後、転身するケースがほとんどです。
国内のフリージャーナリストで、草分け的な存在は、やはり黒田清氏でしょう。大阪読売新聞社の社会部部長時代に、在京のメディアから「黒田軍団」と言われ注目を集めました。数々のスクープをして、日本ノンフィクション賞や菊池寛賞を獲得。退社後、「黒田ジャーナル」を主宰するフリージャーナリストとして活躍しました。
私が新人時代の1980年代は、新聞記者全盛時代で、ジャーナリズムを学ぶ目的で上司から進められて『新聞記者の現場』『エンピツ1本、事件を追え!新聞記者の24時間』『黒田軍団かく闘えり 社会部長日誌』といった多くの書籍を読みました。多くの事件・事故、社会問題など、社会部が追跡する醍醐味に書籍を通してその凄さに触れ、ジャーナリストとは何かを学びました。
もう一人忘れてはいけない方は、本田靖春氏です。この方は、1955年読売新聞社に入社。同じく社会部に在籍。「黄色い血」追放キャンペーンは大きな反響を呼び、その後、献血事業の改善にもつながりました。
当時は「東の本田、西の黒田」と称えられるエース記者でした。吉展ちゃん事件を取材した『誘拐』、金嬉老事件を取材した『私戦』は有名で、大宅賞選考委員も務めた方です。『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社)は、新聞記者としての生きざまが語られ、圧巻の書です。
ジャーナリストと広報PRパーソンとの関係
私も幸いに、これまで多くのジャーナリストの方とも仕事もさせて頂きました。ジャーナリストの方は、出身メディアや取材分野によって様々です。
最も勉強させて頂いた方では、元毎日新聞・経済部出身の嶌信彦氏です。私が新人時代に大変お世話になった方です。まだ経験が浅く、経済部記者の方とあまりお付き合いのない時に、サンデー毎日で企業トップを紹介するコーナーでよく取材頂きました。
取材時の質問の流れやどのようなポイントで、取材者から面白いコメントを引き出すのか。分からないなりにその場で立ち合いをして、大変貴重な場を経験させて頂きました。
皆さんは、メディアに所属している記者や編集者との関係が中心ではないでしょうか。ご自身のメディアネットワークを広げる目的から、ジャーナリストの方との人脈を築くのも良いかと思います。
例えば、様々な媒体で定期コーナーやコラム欄を持って執筆されているジャーナリストをリサーチしてみてはいかがでしょうか。
コンタクト方法としては、次のようなものがあります。
(1)新聞、雑誌、WEB媒体から、定期的なコーナー、コラム欄をリサーチする。
(2)テレビやラジオでのコメンテーターとして、出演されている方のプロフィールを確認し、そこから執筆されている媒体やコーナーを探してみる。
(3)リサーチ後、情報提供したい方が判明したら、編集部や所属事務所に問い合わせしてみる。
(4)私の場合は、執筆媒体先のメディア関係者の方を伝手に、紹介頂くケース。
と言っても、なかなかイメージが湧きませんよね。
そこで、テレビやネットメディアで活躍中のジャーナリスト・堀潤様が弊社のオンラインセミナーに登壇頂く事になりました。私のたっての願いとして、弊社のセミナーに賛同頂き実現しました。
なぜ私が堀様に登壇をお願いしたのか、その理由をお伝えします。それは、堀様の番組づくりの姿勢や、報道内容が大変勉強になった点です。MXテレビ「モーニングCROSS」(2014年4月1日~2021年3月31日)で、メインキャスターをされていた番組を視聴し、堀様を知りました。
MXテレビは、地方在住の方はご存知ない方もいるかと思いますが、東京メトロポリタンテレビジョン株式会社が東京都のローカル局として、地域密着型の番組を放送しています。
私が欠かさず見ていたのは、2019年頃からです。この番組の凄い点は、次の4点です。
●各分野で活躍されている旬なジャーナリスト方々が日替わりで出演し、大手キー局では報道されない情報が満載。
●広報PRパーソンとして必要な社会・経済情勢や、メディアの現状について専門的なリテラシーが向上できる。
●大手キー局のメインキャスターと違い、自らも取材され、客観的なコメントを、視聴者にも分かりやすく伝えていて、堀様のコメントに共感でき、その仕切も大変心地よい。
●独自の報道内容とSNSによる視聴者参加型のテレビづくりをされ、大変画期的な番組と思っていました。
現在もさらにパワーアップした「堀潤モーニングFLAG」を担当されています。ぜひ皆さんにも堀様を通じて、ジャーナリストについて知って頂き、テレビとSNSメディアのリテラシーを高めて頂けると考え企画しました。
堀様のプロフィール
ジャーナリスト、元NHKアナウンサー。
8bitNews代表理事/GARDEN CEO/わたしをことばにする研究所 副所長。
早稲田大学グローバル科学知融合研究所招聘研究員。
2001年NHK入局、「ニュースウォッチ9」リポーター、「Bizスポ」キャスター。
2012年UCLA客員研究員、日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」制作。
2020年3月映画「わたしは分断を許さない」(監督・撮影・編集・ナレーション)公開。
現在は、TOKYO MX「堀潤モーニングFLAG」キャスター、ABEMA「ABEMA Prime」コメンテーター。
当日は、テレビ報道の仕組みや求められる取材情報など、取材サイドから企業広報の皆さんに求められるポイントを解説頂きます。また、堀様自ら立ち上げた8bitNewsやGARDEN Journalismといったニュースサイトについての取り組みも紹介してもらいます。近々、弊社ホームページにてお知らせしますので、ぜひご確認願います。