ベンチャー企業・スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。
これまで新聞、雑誌、TV、オンラインメディアと様々なメディアについて、解説してきました。今回は歴史も浅く、多岐にわたり、変化の激しい分野であるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)について解説していきます。ただし、この分野は、先述した通り日々の変化が大きく、定義もマチマチですので、私見と思ってお読み下さい。
SNSとは
「Social Networking Service」の略。インターネット上で、ユーザー会員同士が友だちとして、つながりを可視化させていくオンラインサービスです。
利用者の目的は様々でしょう。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といった共通点や繋がりを通じて新たな人間関係を構築していくなど、人それぞれです。
用語としては、「ソーシャルメディア」よりも先に「SNS」が広がりましたが、現在のSNSはソーシャルメディアの一部という位置づけにもなっています。Webサイトや専用のスマートフォンアプリなど、閲覧や利用方法も様々です。
SNSと広報の関係
皆さんは、個人的に色々なSNSを利用したり、既に会社でも広報やマーケティングの一環として活用されたりしているかと思います。また、業種・業態によって企業での活用領域や頻度はかなり差があるようです。
加えて、これまでの広報=メディアとは分野が違いますので、企業の関わり方も違ってきます。企業によっては、広報部署ではなく、マーケティングや広告・宣伝部署が担当するケースもあります。
比較的大手企業の広報では、社内コミュニケーションとしてSNSを活用するケースも増えてきています。私の新人時代は、社内広報=社内報の制作、社内交流会イベント、旅行企画といったことがメインでした。よく「社内報が読まれない、浸透しない」という悩みをいただき、その対策でコンサルいたしました。
最近はコロナ禍となり、働く場所や時間の多様化が進み、デジタルを活用した社内コミュニケーションが進んでいます。私も社内では様々なツールを活用しています。
最近の広報では、イントラネット(企業内のみに構築されたネットワーク環境)や社内SNS、クラウド、チャット、アプリなどのITツールを使うケースも増えました。社員も一個人として、会社に関心を持ってもらい、共感・共有を実現する取り組みに変化しています。
また、自社の認知度を高めたり、自社製品やサービスの販促・ユーザーを増やしていく手法としてSNSでの情報発信もここ数年で著しい進化を遂げています。業態、商品、ターゲット層によって対象のSNSを決めたり、逆に拡散させたいSNSを決めてから業態、商品を作る方法など、様々です。
私のクライアントでも、BtoC領域の食品、ファッション、美容・化粧品、地域活性(旅行・観光)など、“ファンづくり”を意識した企業はかなり前から取り組んでいます。また、BtoB領域の企業でも、採用広報の取り組みとして、SNSを効果的に活用している企業もありました。
2000年代以降「ブロガー対策」「インフルエンサーマーケティング」と広報・PR業界でも注目され、取り組みが始まった記憶があります。当時、関西の理美容器具のメーカーを担当しており、新製品記者発表会で影響力のあるブロガーを集めメディア同様に発表会をして、ブログ記事を配信してもらいました。また、ブロガー向けに製品提供し、感想の配信にも取り組んでいました。
SNSの特徴と傾向を知る
皆さんも感じているように、SNSの世界は予想を超える変化や高度化が進展しています。私はメディアを知る以上に、かなり難易度が高い領域と感じています。日々のメディア対応・対策でリソースを割いていて、なかなかな知る機会や時間のない方も多いと思います。
しかし、この時代の広報は、SNSの動向を知り、少しでも自社に役立てられるかどうかが、重要になっています。ここ数年、紙媒体の衰退が言われつつあります。マスメディアでもデジタルファーストが浸透して、SNSの活用もかなり進んでいます。
主なSNSの種類と特徴について
Facebook
GAFA(ガーファ)の1社で、世界最大のSNS運営会社。匿名で利用できるSNSが多い中、実名制が特徴です。趣味・嗜好やビジネスなど、共通のテーマを元に様々な人が集まる機能の一つにグループ機能があります。フォーマル性が高いので、企業サイトと合わせて運用している印象です。
Twitter
企業アカウントであっても、「つぶやき」として担当者の思いを発信するなどして、リツイートを高めるケースが多いでしょうか。企業のトップ、政治家著名人がつぶき、拡散性が高い印象もあります。
最近、マスメディアの記者でも、「Facebook」と「Twitter」の活用が増えてきている感覚です。ある知り合いの記者は、「ネタ下さい」と率直につぶやいていて、思わず笑ってしまいました。
LINE
アクティブ率の高さが驚異的なメッセージングアプリです。メッセージ配信(メルマガのようなイメージ)と、タイムライン投稿(Facebookのフィードのようなイメージ)の2種類があります。また、LINE NEWSも運営しています。ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEが経営統合することでも話題です。
Instagram
日本で普及し始めた2016年頃は「インスタ映え」「キラキラ女子」といった写真映えで話題となりました。画像のインパクトや世界観を重要視するユーザーが多い印象です。
YouTube
2005年に開始された動画共有サイト。現在はGoogleが運営しており、オンライン動画配信サービスの先駆として知られています。
子供が選ぶ「なりたい職業」で、YouTuberが最近上位となり話題となりました。今やユーザーは、子供から高齢者まで幅広くなっています。企業利用では、CMのメイキング映像の掲載や動画による取り扱い説明など、従来DVD等で配信していた動画をアップするケースが多いようです。また、CMと連動したドラマの配信など、マス広告と連動した利用方法など多岐にわたります。
その他に、TikTok、カカオトーク、最近では音声SNSのClubhouseが話題になっています。最新動向は、弊社のグループ会社が運営している研究機関の記事をご参照下さい。
SNS運用と炎上の関係
以前私は、デジタルリスクコンサルティング会社の広報業務にも携わっていました。企業広報がSNSを運用する場合に、様々な体制とネットリテラシーがないと大変危険です。皆さんも個人的なSNS利用で、そのような場面にも触れた経験があるかもしれませんし、企業発信での炎上も日々報道されています。
炎上対策は大きく分類すると「防火」「発見」「消火」の3つとなります。「防火」とは、リスク発生を防ぐことです。体制構築、運用研修・ルール策定が欠かせません。「発見」は、投稿を監視してリスクの火種を検知します。「消化」は、炎上や内部不正の発生時の危機管理広報です。原因調査から各方面への速やかつ的確な対応が求められます。
私は経験上、これらを自社のリソースだけで全て対応するの難しく、また危険だと考えます。SNSの活用において、平時の予防策と有事の対応は、専門のコンサルティング会社と一緒に運用することをお勧めします。
ベンチャー広報主催のオンラインセミナーについて
最後に朗報があります。弊社セミナーに、Twitter Japanの青山康成様に登壇頂けることになりました。青山様は、シニアクライアントパートナー(CPG業界担当)。Twitterを活用してビジネスインパクトを高めるサポートをしながら、常にTwitterを眺め世の中のトレンドを追いかけています。
今回、Twitterの最新動向と企業広報やマーケティングの視点での取り組み事例について、解説頂けることになりました。SNS分野でのセミナーは初めてとなります。近々、弊社ホームページにてお知らせしますので、ぜひご確認願います。
◎[新人広報パーソンのための広報いろは。]シリーズ一覧はこちら