究極のPR会社の選び方とは

究極のPR会社の選び方とは

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。

最近、企業のトップや広報担当の方から、
「貴社の特徴は?」
「他のPR会社との違いは?」
と質問される事が増えてきています。

そもそも国内のPR会社は、300社程と言われていますが実態は掴めず、PR会社社員や企業の広報担当者が起業したり、フリーでPRコンサルをしているケースも多いようです。

企業形態も広告代理店傘下や独立系のPR会社。最近では、web施策を得意とする新興系に分けられます。

PR会社の種類と得意分野について

PR会社には「総合PR会社」と「専門PR会社」にわけられます。大手PR会社は「総合PR会社」として、多種多様なサービスで業界に対応しています。

パブリシティ活動のみならず、マーケティング、ブランディング、プロモーション、SNS・WEBメディアにより販促キャンペーンや危機管理広報まで、広範囲のサービスを提供しています。

その一方、業界やサービス内容を限定した「専門PR会社」も存在します。ファッション、美容・コスメ、IT、金融、不動産、医療、海外広報・・・というように扱う分野を限定する会社や、プレスリリースの配信、SNSマーケティング、リスクマネジメント・・・というように専門にサービスを提供する会社もある。

特にベンチャー企業・スタートアップ企業の方は、料金体系も不明で自社のニーズにマッチする会社選びは難しいようです。

◆ 究極のPR会社の選び方 7つのポイント

そこで、長年の経験から適切なPR会社の選び方をお教えします。

その1)
高額なフィー=満足する報道結果があげられる、は間違え

PR会社のフィーの大半は人件費です。

担当スタッフが多ければ人件費がかさみます。弊社ではメインの担当者1人+もう1人で、バディ制です。担当者は原則1名。1人が責任を持ってクライアントを担当します。余分なコスト削減が可能です。また受注前に戦略の提案はしない、コンペも参加しません。弊社のノウハウや実績をお話しして納得してもらえれば契約頂きます。

「提案書が無ければ無理です」
と言われたら、弊社とは合わなかったと判断します。もちろん、1~2枚の見積書は作りますが、必要以上の時間はかけません。

「提案書ありきで高い料金を支払うのと、提案書なしで安い料金で発注するの、どちらがいいですか?」
とクライアントに聞くと、たいがい皆さん、後者を選ばれます。

また、多くのPR会社では、月額フィーが80~100万円を提示しています。先程ご説明しました通り、1社に何人ものスタッフが担当すると人件費がかさみます。また、必要以上のビジュアル面を重視した提案書や報告・レポート書の作成費などがフィーに含まれてしまいます。

弊社では、分厚い月次報告書はナシ!要点を絞ったレポートのみです。メディア施策やコンタクト結果、今後の戦略は都度しっかりと報告はします。

その2)
長期間、業務契約を結んでいるクライアントを持っているか

PR業で一番難しい事は、長きに亘りクライアントと契約を結ぶ事です。それはクライアント満足度が高いから長期間契約することができます。弊社では、設立当初から契約している企業も多く、7~8年の長期契約頂いているクライアントもあります。

その3)メディアからの評判がいいか

私がもっとも皆さんにお伝えしたい点の一つです。

長年に亘りメディアとコミュニケーションをとっていますと、記者の方からこんな話を耳にします。

「いつも若い女性が来社し、プレスリリースを10案件ほど持参し全てのリリースについて長々話して困る。挙句の果ては全て掲載して欲しいと。」
「取材から掲載後、PR会社スタッフからいつ掲載になるのか。掲載したら掲載紙を3部送って欲しい」

これは実名のPR会社での出来事です。

基本的なスタッフ教育をされていないため、記者の役割も知らない、ダメダメな方々です。取材等で知り合いとなった記者さんにPR聞いて会社の評判を聞いてみるのも判断材料になります。

その4)
社内体制についてチェックをする

PR会社の体制には、2つに分けられます。

一つは、クライアント担当制。担当するスタッフが、戦略立案~プレスリリース・広報資料作成~メディアワーク等、全てのクライアント対応を担います。もう一つは、分業制です。

大手のPR会社では、アカウントエグゼクティブ、プロモーター、プランナーなど、分業制になっている会社がほとんどです。これは会社にとっては効率的かもしれませんが、スタッフ本人のキャリア形成にはマイナスです。

PRコンサルタントというのは、PRの戦略策定から実行、クライアント対応まで全てひとりできなければ、一人前とは言えません。

PR会社は、企業の広報担当者に代わり、メディアへ情報提供していきます。私は新人時代に先輩から、
「クライアントの事を8割程度は分からないとメディアコンタクトをするな!」と、きつく言われていました。これはメディアへのプレゼンレベルが担保できるからです。記者が質問しても殆ど答えられないスタッフも多いと良く聞きます。

その5)
スタッフ陣の経験談が豊富か

仕事を頼むときに、ぜひ担当スタッフの方に、
「どのような分野が得意か」
「自社に近い業界経験や実績について」
「どの媒体の記者とパイプを持っているのか」
を、訪ねてみて下さい。

自社の業種・業態に近いジャンルが強く、また関連するメディアとパイプを持っていることも判断の参考となります。

その6)
スタッフ陣との相性はいいか

スタッフの方との相性も意外に重要となります。

皆さんの長きにわたり友達づきあいしている人とは、相性がいいからお付き合いしていますよね。私の経験上ではやはり根暗で指示待ちタイプは上手くいかないケースが多いようです。

その7)
報告書でPR会社の実力が分かる!

長年PR業務に携わっていますと、クライアントサイドから様々なオーダーが舞い込みます。

「戦略的な広報プランをお願いしたい」
「メディアワークを重要視し、とにかく多くの記者へアプローチして欲しい」
など様々です。

弊社クライアントの多くは、ベンチャー・スタートアップ企業が多く、
「どうしたら記者と付き合えるのか」
「多くの記者とつながりたい」
という要望が多いようです。

最近ある営業先から、以前契約していた大手PR会社の月次レポートをみせて頂きました。

リリース配信後の媒体を単に羅列した、大変デザイン性の高いレポートでした。コンタクトレポートといっていながら、媒体名・編集部のみの記述でした。それも各媒体とも同様の文言で、検討中といったコメントのみでした。

私の経験上、単にリリース配信サービスを使った内容と推測されます。

それは、媒体のセクション・記者名が報告されていません。長年メディアワークを得意としているプロからみると一目瞭然です。これ程、PR業界のレベルに差がある事に改めて驚きました。

最近では、個人情報保護法があるので、一切公表できないという会社もあると聞きます。しかしながら、クライアントの広報代行として、メディアには身分も証した上でコミュニケーションをとっています。セクションと苗字レベルは報告すべきかと思います。

また情報提供時に、関心のある点、質問された内容、不足情報など感触情報が最も大切で、戦略的な広報活動に活かせます。私自身は、可能な範囲でクライアントへ、このような情報は報告しています。

最後に

新人時代に先輩から、
「メッセンジャーになるな、広報コンサルができるプロになれ」
と教育を受けました。

クライアントニーズを的確に把握し、メディアの視点でコンサルティングをすることが、クライアント実績に繫がると。クライアントとの指示をそのまま受け、何も考えずメディアへ情報を届ける事がベストではありません。時には、メディアの視点からクライアントへアドバイスする事が、最終的にはクライアントに信頼され、満足頂けると信じてここまでやってきました。

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info@v-pr.net 三上宛

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴40年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

三上 毅一
記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴40年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

三上 毅一