広報PR業界を10年間歩む中で見えた、”3つのキャリア”
CEOブログ

広報PR業界を10年間歩む中で見えた、”3つのキャリア”

~「得られるもの」と「得にくいもの」で考える広報PRパーソンのキャリア~

株式会社ベンチャー広報で代表をしている野澤です。スタートアップ企業を支援するPR会社を運営しています。

今回のテーマは「広報PRパーソンの”3つのキャリア”」広報PR業界に10年間身を置く中で、様々なキャリアがあると感じています。今日はその中でも主要な選択肢である3つのキャリアについて取り上げてみます。

どれが良い悪いというわけではないですが、広報PRパーソンのキャリアを考える一助になれば嬉しいです。

1.「事業会社の広報PR」のキャリア論

まず最初にご紹介するのは、「事業会社で働く広報PR」というキャリアです。

■ 得られるもの

事業会社の広報PRだからこそ得られる体験は、「深いロイヤリティで成果を生み出せる体験」だと思っています。事業会社で働く広報PRの方々は、会社の顔です。

会社というブランドを背負いながら、より多くの人に届ける。その過程で多くの人をファンにするために、様々なアクションを愚直に仕掛け続けていきます。

その根っこには、自社のことが「好きだ」という気持ちが必要不可欠。つまり、自社への深いロイヤリティがあると思っています。

そんなロイヤリティを持ちながら、自分が「心から良い!」と思えるものを広報PRという手法でより多くの人に届けられる仕事です。

■ 得にくいもの

一方、得にくいものもあると感じています。

それは「広範囲をカバーできる広報PRスキル」

事業会社の広報の場合、ひとつの会社、特定の業界の広報しか経験をすることができません。慣れてくるとルーティンの実務も多くなってきます。

「広報PRパーソンとしてスキルを極めていきたい」という方にとっては、少し物足りないと感じる時が出てくるのかなと感じています。

2.「フリーランス広報PR」のキャリア論

続いて、企業に属さない「フリーランスの広報PR」というキャリアについて。広報PRパーソンはプロフェッショナルな仕事なので、フリーランスという選択肢を取る人も多くいます。

■ 得られるもの

「自分のスキルを活かして、自由に好きなモノを世の中に広げる楽しさ」だと思います。

広報PRはプロフェッショナルな仕事です。スキル・経験があれば、フリーランスという「組織に縛られない生き方」を実現できます。

「○○会社の、広報PR担当××さん」ではなく、「広報PRのプロである××さん」というブランドをつくりあげることができます。

これは「広報PR」という1つの道を極め続けてきた方にとっては、この上ない喜びです。

■ 得にくいもの

「チームで」仕事をしているという実感を得づらいです。

広報PRは1人でできる範囲には限界があります。様々な関係者との関わりや、細かな業務がある分、チームで動くことが大きな成果に繋がると感じています。

また、多角的な評価が行われづらいため、クライアントとの折衝に行き詰ったという話も伺います。

「企業という箱から離れて、改めて感じることがある・・」とフリーランスの方はよくお話されます。

例えば、以下の内容です、

・メディアの繋がりを自分ひとりで作り維持しなければいけない・信用もゼロから積み上げないといけない。
・必死で獲得した案件も、自分1人の力で回せないと生活が成り立たない
・自分の活動がPRの目的に沿っているのか判断しづらい

3. 大手PR代理店での「PRコンサルタント」のキャリア論

ここからはPRコンサルタントというキャリアについて書いていきます。

「大手PR代理店でのPRコンサルタント」と「ベンチャー広報のPRコンサルタント」この2つを比較しながら、書いていきます。

まずは大手PR代理店のPRコンサルタントからです。

■ 得られるもの

「広報PRの中でもより専門的なスキルが身につく」ことだと思います。

大手PR代理店には主に3つの仕事があります。プランナー、プロモーター、アカウントエグゼクティブ(以下補足説明)です。

①プランナー(全体の企画立案、戦略構築)
②プロモーター(メディアとの接点づくり)
③ アカウントエグゼクティブ(クライアント側との折衝担当)

大手のPR代理店では、上記3つの仕事を分業していることが大半。分業しているからこそ、自分自身が極めたい仕事やスキルに集中して取り組むことができます。

PRコンサルタントとして、「自分はこの仕事が最も得意だ」という強みを身につけたい方にはオススメのキャリアです。

■ 得にくいもの

「プロダクトや会社への深いロイヤリティ」は、得にくいと考えます。事業会社に属している広報PRの方々に比べると、第三者として携わるからです。支援先の会社を好きになる、それは大前提の話ですが。

「自分が属している会社のサービスという、”自分にとってのオンリーワン”を感じたい!」そういった想いをお持ちの方は、事業会社の広報PRとしてのキャリアを歩まれた方がよいと思います。

4. ベンチャー広報における「PRコンサルタント」のキャリア論

最後は、弊社のPRコンサルタントについて書いていきます。

■ 得られるもの

弊社のPRコンサルタントは、「一般的なPR代理店が分業している3つの仕事を1人で担える経験」を得られます。

ベンチャー、スタートアップといっても事業フェーズは様々。そのフェーズを理解しながら、適切な広報戦略を構築し、実行までトータルでサポートする経験を積むことができます。

弊社は前述のPR代理店のような分業体制を取っていません。2つの理由があります。

①情報のやり取りが煩雑になったり、情報が劣化してしまったりすると考えているから
②分業にすると、コストが高くなるから

情報伝達のスピードが遅くなったり、何度も伝言ゲームが続くことでのコミュニケーションロス。そして、複数人が介在すると、人件費という面でのコスト増。

このリスクを発生させないために、一気通貫スタイルでご支援しています。

■ 得にくいもの

「誰もが知っている大手有名のPRに携わっている」という満足感は得にくいと思っています。大手のPR代理店は、日本を代表するナショナルクライアント様に関わることが多いです。

一方で、ベンチャー広報のクライアントはスタートアップやベンチャー企業、大手企業の新規事業が支援先であることが多いです。大手PR代理店のような「誰もが知っているサービス(プロダクト・企業)に携わる」というケースは多くありません。

大手有名企業の広報PRに関わりたいという方は、弊社ではなく大手のPR代理店でキャリアを積まれることをオススメします。

以上、ここまで「事業会社の広報PR・フリーランス広報PR・PRコンサルタント」という3つのキャリアについて書いてきました。

どれも素敵な仕事であることは、間違いありません。

「少し自分の広報PRパーソンとしてのキャリアに悩んでいる・・・」
「改めて、広報PRという仕事の面白さを見つめ直したい・・」

そんな方々にとって、何か参考になっていれば幸いです。

今回のCEOブログは以上となります。

サービス資料のダウンロード

私たちが提供するサービスの紹介資料です。

記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人