PR会社に完全成果報酬で発注してはいけない、3つの理由。
CEOブログ

PR会社に完全成果報酬で発注してはいけない、3つの理由。

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

私が以前、事業会社で社員として広報を担当していたとき、どうしてもテレビから取材されたくて、あるPR会社さんに完全成果報酬でPR業務を発注したことがあります。でも大失敗しました。

完全成果報酬ですから、PR活動をしてもらうにあたり固定費は一切かかりません。実際にテレビから取材されて、番組が放送された後に、その放送時間や内容によって、報酬をお支払いするという契約です。

成果報酬の金額はちょっと高いけど(100万円~500万円くらい)、仮に成果が出なくても広報担当者の自分にとってはノーリスク。そのPR会社の担当の方は、テレビ局で番組制作ディレクターの経験があるとても優秀な方でしたし、期待に胸がふくらみました。

しかし、結果的には失敗で、1つもテレビ取材が入らず終わったのです。なぜうまくいかなかったのか。当時はよくわかりませんでした。

それからPR会社に転職し、その後、自分でPR会社を経営してみて、今はその理由がよくわかりますし、またこう断言できます。「PR会社に完全成果報酬で業務を依頼してはいけません」。その理由は3つあります。

1)成果報酬で仕事をするPR会社にはハズレが多い。

PR会社の料金体系の基本は、毎月決まった金額をもらって、継続的にサービスを提供するリテーナー契約です。

一方、成果報酬の契約というのは、PR会社からすると、お金がとれるかどうかわからない、リスクの高い仕事になります。評判の良いPR会社であれば、安定的に売上のあがるリテーナー契約で多数のクライアントをかかえていて忙しいですから、あえて、リスクの高い成果報酬型の仕事をする必要がありません。

つまり、完全成果報酬の仕事を受けるPR会社は、はっきり言って、仕事が少なくてヒマな会社なのです(全部ではありませんが)。そんな会社に仕事を依頼しても、成功する確率は低いですよね。

2)PR会社は、成果報酬の仕事を一生懸命やらない。

リテーナー契約をたくさん抱えていて、仕事が忙しいけれども、さらにがんばって、成果報酬の仕事を積極的に受けるPR会社もあります。そこでポイントになるのは、PRの仕事が労働集約型だということ。

PR会社からすると、業務に使えるスタッフの数と時間は限られています。そんな中で、毎月決まった金額を確実に支払ってくれるリテーナー契約の仕事と、時間をかけてもお金になるかどうかわからない成果報酬の仕事とどちらを優先するでしょうか。

当然、リテーナー契約の仕事が忙しければ、成果報酬の仕事は後回しになります。特に完全成果報酬の仕事は、「時間をかけずにちゃちゃっとやって、成果がでればラッキー」くらいの感じでやっているPRパーソンが多い印象です。

3)手間ばかりかかって、発注側も時間を無駄にする。

完全成果報酬の契約形態は、仕事を発注する事業会社にとってはノーリスクだからそれでもいい? 本当にそうでしょうか。

広報担当者がPR会社の担当者と打合せをする時間がかかりますし、場合によっては、広報担当者が自分でテレビ番組用の資料を作らなければなりません。さんざん手間と時間をかけたあげくに、結局成果がでなかった…。

これは企業側にとっても、一定の損失だと思います。その時間をもっと別の広報PR活動に使えたはずだからです。

結局、「タダよりより高いものはない」ということですね。(野澤の過去の失敗経験もふまえて)「PR会社に完全成果報酬で…」などと虫のいいことを考えず、自分の力で地道に広報活動に取り組みましょう。それが、最終的には成功への近道だと思います。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人