上場企業・大企業で広報として働くことのメリデメ
CEOブログ
PRパーソンの戦略的キャリア形成論②

上場企業・大企業で広報として働くことのメリデメ

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

今回は2020年7月3日に投稿した「PRパーソンの戦略的キャリア形成論」の続編です。

ちなみに前回はこんな内容でした。

・広報は専門職なので、複数の会社で広報の仕事を経験した方がプロ人材としての価値は高まる。
・「マスコミ」「事業会社の広報」「PR会社」の3つを全て経験するのが理想。
・事業会社の広報としてキャリアを積むなら、BtoC企業からBtoB企業へ、スタートアップから上場企業へなど、戦略性を持って転職する。
・20代ならPR会社を選択肢に入れた方がいい。
・広報パーソンとしての価値は「過去に報道を獲得した実績」と「マスコミ人脈」。

今回は各論として、事業会社の中でも上場企業・大企業で広報として働く場合のメリデメについてお話ししようと思います。

ゼロイチ広報の会員の皆さんはスタートアップやベンチャー企業の広報としてご苦労されているので、もしかしたら、上場企業・大企業の広報がうらやましいと思うことがあるかもしれません。

確かに、上場企業・大企業の広報には良い部分があります。
まず、スタートアップやベンチャー企業と比べて圧倒的に取材や報道を獲得しやすい。プレスリリースを一斉配信するだけで記事になりますし、記者会見を開けば多数のメディアが集まります。逆に、取材依頼が多すぎて対応できないため、(取材を受けたくない媒体の)“取材を断る”ことが広報の仕事だったりします。

危機管理広報について学ぶ機会が多いのも大企業広報のメリットです。また広報部門は数人から数十人と体制が整っており、先輩や上司からの教育も行き届いています。しかも給料が高い。

しかし、上場企業・大企業の広報にはデメリットもあります。

業務量が多く広報部門も大人数のため、仕事は分業が基本です。組織の中で広報業務の一部を担当するだけで、戦略づくりから実行まで自社の広報活動全体に関われない。広報部長とか社内で偉くなれば別ですが、広報部のヒラ社員にそのチャンスはないでしょう。

マスコミ人脈を作りづらいというデメリットもあります。上場企業・大企業の広報はPR会社と契約し業務を外注することがほとんどです。外注している主な業務はメディアプロモート。マスコミとのパイプ作りはPR会社任せで、広報担当者はインバウンドで入ってくる取材対応がメインになります。だから大企業の広報は自らマスコミ関係者を新規開拓する“攻めの広報”ができない人が意外と多い。
ちなみに、PRの戦略づくりや危機管理広報もそれ専門のPR会社に外注することも少なくありません。

それじゃ、上場企業・大企業の広報担当者は何をしてるの? と思われますよね(笑)
彼らの主な仕事は、外注先のPR会社のハンドリング、広報予算の管理、社内調整などです。これでは、広報PRの実務能力がなさすぎて、広報PRのプロフェッショナルになるのは難しいと思います。

逆に、スタートアップやベンチャー企業の広報は色々な面で本当に大変ですが、20代・30代でも経営陣に近いところでPRの戦略づくりから実行まで全てに関われるし、PR会社に頼れないからプロモートも自らやるし、結果的にマスコミ人脈もできます。
もし広報PRのプロを目指して成長したいなら、スタートアップやベンチャー企業はとても良い環境なのです。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人