「スタートアップの広報担当者は使えない」と言われちゃうのはなぜ?
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「スタートアップの広報担当者は使えない」と言われちゃうのはなぜ?

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

「スタートアップの広報担当者はダメだ」という声を耳にすることありませんか?

私も、スタートアップやベンチャー企業の広報担当者からの相談を受けていると「本当にそれで広報担当がつとまるの?大丈夫?」と疑問に思うことが多々あります。

大企業に比べ、スタートアップやベンチャー企業の広報担当者は「やり方を先輩に教えてもらう」といった機会が少なく、会社としてノウハウも蓄積していないことがほとんど。

ゆえに、残念ながら「広報がやるべきこと」をわかっていない未熟な人が多いです。

プレスリリースを書いて一斉配信することだけが広報の仕事じゃないですよ!

今回は、非常に重要であるにも関わらずベンチャー企業の広報担当者が怠りがちな、2つのポイントをご紹介します。

(1)徹底的な媒体研究

まず、メディアに取り上げられたいなら、そのメディアをしっかり見て知るべきです。

ベンチャー企業の広報担当者と接していると「どうやったらテレビ番組○○に出演できますか?」と聞かれることがあります。そこで、「その番組は観ていますか?」と聞くと、「観ていない」と答える人がとても多いことに驚きます。

まずは出たい番組を観て、自社を取り上げてもらえそうなコーナーやその番組に合った切り口を探し、「どのように売り込んだら興味を持ってもらえるか」を考えることが広報のスタートです。メディアに出たい!と言う前に媒体研究をしましょう。

実は、新卒で大企業の広報部に配属されると、徹底的に媒体研究のやり方を叩き込まれます。主要の新聞や雑誌を読み、記事をファイリング。自社の記事はもちろん、業界の動きや競合他社の記事も抜き出します。毎日2時間以上を媒体研究に費やす企業も珍しくありません。大企業の広報はこれほど徹底的にやっているのです。

しかし、ベンチャー企業の担当者の中には、「そこまで徹底する時間はない」と言う人もいることでしょう。時間を取れないなりにもいくらでも工夫はできますから、私や当社のスタッフが実践している工夫をご紹介します。

  • 工夫(1):テレビ番組は撮り溜めして倍速で観る毎日見逃さずにリアルタイムで見る必要はありません。週末にまとめて研究するだけでもいいのです。必要な番組を録画しておき、週末や時間に余裕のある時に1.5倍速で観るなど、工夫しながら媒体に触れる時間を作りましょう。
  • 工夫(2):雑誌はdマガジンでチェック雑誌は図書館でまとめて読むことを推奨していますが、情報収集に慣れてきたら「dマガジン」の購読がオススメです。雑誌が定額で読み放題で、「PRESIDENT」や「AERA」など数多くのビジネス雑誌を網羅しています。図書館に行く手間も省けますし、携帯で隙間時間にチェックできるので効率的です。
  • 工夫(3):グーグルアラート活用新聞やWEBの記事はグーグルアラートで効率的に情報収集しましょう。自社に関連するキーワードや競業他社名を登録しておけば、毎日媒体を見に行かずとも、通知から簡単に情報をチェックできます。

このように媒体を定期的にチェックしていれば、いつ・どんな枠であれば自社が取材される可能性があるかがわかるようになってきます。例えば、日本経済新聞では週に一度スタートアップ企業が掲載される枠があります。 このような枠は1ヶ月ほど新聞を読んでいればおおよそのサイクルが見えてくるはずです。

地道ですが、研究を積み重ねることで媒体に関する知識と思考力が身についていきますから、媒体研究を習慣づけましょう。

(2)リアルなマスコミ心理の理解

私は常日頃から「ベンチャー企業においては、プレスリリースの一斉配信は意味がない」と言っています。その本意は、一斉配信がマスコミ心理を理解していない行為だからです。

もしあなたがマスコミ担当者なら、どんなネタを記事にしたいですか?

少し考えてみればすぐわかります。自分が担当者であれば、欲しい情報は「自社だけの特ダネ・スクープ・独自取材」のはず。一斉配信のプレスリリースはスクープになりませんから、記者にとってメリットがありません。これがマスコミ心理を理解するということなのです。

では、どうやってマスコミ心理を理解すればいいのでしょう。それは、マスコミ関係者に直接会って話すことにほかなりません。

ここで重要になるのが、メディアキャラバン。マスコミ関係者とパイプをどれだけ持てるかが鍵になってきます。PR会社に頼るという手もありますが、できるだけ直接パイプを作るべきでしょう。

雑誌の編集者やテレビ番組のディレクターとのつながりがあれば、直接会って話すことができます。たとえ取材できないと言われたとしても、なぜ取材にならないのか、どういう内容なら可能性があるのかと、次につながるフィードバックも聞けるでしょう。

広報の仕事は「マスコミを動かすこと」です。どうすればマスコミが動いてくれるのかを考え、広報活動する必要があります。そのためには、マスコミの方にお会いして話すこと、その過程でマスコミ心理を理解していくことがとても重要なのです。

マスコミを知らずして、広報を語るなかれ

これまで説明してきたように、企業広報においては、媒体研究とマスコミ心理の理解、そしてそれを踏まえた広報活動ができるようになることが重要です。
そこでベンチャー広報では、広報のノウハウがない企業の広報担当者支援と業界全体の底上げを目指して、マスコミ関係者を講師にしたセミナーや勉強会を定期開催しています。マスコミ関係者に直接話を聞く機会をできるだけ増やすことが、マスコミ心理を理解する一番の近道だからです。

ベンチャー広報・セミナー一覧
https://www.v-pr.net/seminar/

こうした機会を活用して「ベンチャー企業の広報担当者は使えない」と言われないように、スキルアップしてゆきましょう!

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人