教育しなくても社員のPRスキルが確実に高まる「現在地の可視化」の仕組み
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教育しなくても社員のPRスキルが確実に高まる「現在地の可視化」の仕組み

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

  • スキルを高める
  • 自分が成長する/部下を成長させる

これは多くのビジネスパーソンにとって常に重要であり、難しいテーマです。
自己成長を感じられない、もしくは自分の部下が伸びていない気がするなど、課題を抱えている人も多いでしょう。

給料を上げるために社内試験を受けなければならない企業もありますが、
試験に受かったところで仕事面で伸びているのか、わからなかったりしますよね。

ベンチャー広報は、基本的に担当社数によって収入が決まるため、細かなスキル面の評価はしていません。

しかし、PRパーソンとして成長するための仕組みはしっかりと作り込み、
最終的にはスキルアップが報酬アップに繋がるようにしています。

今回は、社員のスキルを高める仕組みをお話ししたいと思います。

研修はしない。必要なスキルと現在地を可視化するだけ

社員の成長を促す方法のひとつとして「研修」がありますが、
私は研修が嫌いです。

なぜなら、一方的に教え込まれただけじゃ身につかないから。

真の成長を促すには、本人の努力を引き出すことが重要です。
そのためベンチャー広報では、「PRパーソンとして必要なスキル」を因数分解し、
50項目にまとめたシートを使っています。

このシートは、最終的には100点になるように設計されていて
シートに評価を書き込むことで個々の現在地が可視化され、
点数の上がり幅で成長度合いを測れます。

▼ 実際に使っている評価シートの一部 ※モザイク部分は企業秘密です(笑)

ただ、20点だろうと40点だろうと、その絶対値自体にはあまり意味がないと感じています。

重要なのは、少しずつでも数字が上がっていくこと。
そして、過去の自分と対比させて、課題や方向性を見出すことです。

この評価シートを使うにあたっての注意点は以下の2つです。

  • 点数をほかの社員と比べない
  • 収入と紐づけない

「前回に比べてどこが伸びたか」、「ここの伸び率を上げるにはどうすればいいか」など
自分が成長し続けていくための内的動機に繋がるように利用しています。

そうしてスキルアップした結果、
短時間で成果を出してクライアントの満足度を上げられるようになります。

そこで生まれた時間のゆとりは、
「担当者数を増やして収入を上げる」「個人的に興味がある副業をする」など、
好きに使えるので、結果としてスキルアップが収入アップに繋がります。

つまり、「報酬アップのためにスキルを身につける、資格をとる」のではなく
「スキルがついたことで生まれた成果が報酬アップにつながる」ことが
本当に必要なことではないかと思うのです。

もちろん、空いた時間を家族と過ごすのに使うのもいいでしょう。
時間が豊かになるのは、収入がアップと同様に人生の満足度を上げてくれるはずです。

自己評価と他己評価で成長を実感できる仕組みを

では、シートをどのように使用しているのか、具体的にご説明しましょう。

シートにはPRパーソンに必要なスキルを細かく分解した50項目があり
それぞれの項目が5段階評価になっています。

社員には4半期ごとに自己評価してもらい、同じように私も評価を記入、
相違のあるところを面談ですり合わせていきます。
自己評価と他己評価から、現在地を正確に捉えていくわけです。

特に悪い評価をするときは、具体的な根拠が弱点や改善点の把握にもつながるので、「なんとなく」はNG。
「なぜこの点数を付けたのか」をファクトとあわせてお互いに説明していきます。

また、面談では点数を伝えたり、中長期のキャリアプランを話したりはしますが、
ネクストアクションは決めません。
スキルが数値化されていると自分に足りないものがわかるので、
点数を高めるためにはどうすればいいかは自ずと考えるはずですから。

そうして自分で考えて行動した結果をまた次の機会にフィードバックするというサイクルで
自発的な努力を引き出しながらPRスキルを高めているのです。

なお、シートでは、PRパーソンに必要なスキルとしてのウェイトが高い項目ほど配点も高くなっています。
ある程度優先順位を明確にしておくことも、行動に繋げやすい要因になると思います。

自立した大人は自分で成長方法を考えられる。だから何も教えない

スキルを伸ばすためには、社員が「過去の自分」と戦える環境をつくることが大切。
そのため、他人と比べず、収入にも紐づけず、本人の成長にフォーカスしています。

現在地を明確化するとこだけ手伝い、あとは自分で考えるという癖をつけさせると
成長に必要なことを見極められたり、失敗も自分の力で解決できるようになったり
すべてが学びとなって、本人に返ってきます。

じつは、「現在地の可視化」ともうひとつ、私が社員を成長させるためにやっていることがあるのですが、
それはまた次の記事などでお伝えしたいと思います。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人