『99.9%成功するしかけ』藤田康人・著
広報PR・おすすめの一冊

『99.9%成功するしかけ』藤田康人・著

99.9%成功するしかけ

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報です。

今回は、広報に関するおすすめ書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:『99.9%成功するしかけ キシリトールブームを生み出したすごいビジネスモデル』
著 者:藤田康人
発行元:かんき出版

広報・PRに携わる人間として、マーケティングの知識は最低限持っておく必要があると思ったのと、今では一般的になっている「キシリトール入りガム」のブームを作ったという成功事例の研究が出来ればと手に取った一冊です。

著者について

著者の藤田康人氏は、慶應義塾大学在学中にイベント業などで学生起業し、そこから味の素株式会社へ入社、低カロリー甘味料の営業や、商品開発を経て、1992年にザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。

1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトールブームを仕掛けました。結果、キシリトール製品の市場規模はゼロから2000億円になるまでへ成長。2007年5月に株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任しています。

書籍の概要

本書は2006年に発売された本で、今では当たりまえのように目にする「キシリトール」をどのように市場に導入し、急拡大させたか、どのようなマーケティング手法で導いたのかを、著者の実体験、実践方法を解き明かした書籍です。

そもそも、当時の日本では認可もされてもいなかった「キシリトール」の広がりの背景に、どのような苦労があったのかを知れるという点で、非常に読み物としても面白い書籍になっています。

特に、4章「最強の手段はPRプランニング」、6章「ブームをつくる」、7章「藤田流マーケティング」はPR実務を行っている上で非常に参考になる箇所が多く、ぜひみなさまにも目を通していただきたいので、一部、内容を抜粋して紹介します。

藤田氏流のマーケティングの極意として、以下の3つは実践の価値があるでしょう。
・報道される事実は、自ら作りに行く
・ブームを継続させるにはライフスタイル化すること
・カテゴリーが消えると、ブームが消滅する

  • 報道される事実は、自ら作りに行く

PRパーソンなら、一度はメディア担当者に「こういう画が撮れないと難しい」と言われたことはあると思います。藤田さんは、その素材がないとしても積極的に作る活動をし、結果としてニュースステーション(現在の報道ステーション)にて20分もの特集を組まれたと言います。

  • ブームを継続させるにはライフスタイル化すること

メディアでの露出でブームの初速を感じたこともあるかと思いますが、難しいのはそのブームをいかに継続させていくかではないでしょうか。

そこで本書では「ライフスタイル化」という方法を述べています。消費財にもよるかと思いますが、キシリトールの例でいくと、「ボトル入りガム」の販売で、家やオフィスに常備し毎食後必ず噛むという、生活への提案が成功の要因だと言います。

  • カテゴリーが消えると、ブームが消滅する

ブームが見えると多くの競合が現れて、1つの商品が勝ち残り寡占状態になるかと思いますが、競合がいなくなることでカテゴリー自体が消滅し、逆にその製品すら売れなくなると言います。実は消費者が商品でなくカテゴリーでみているという気づきは非常におもしろいと点ではないでしょうか。

この書籍を通していえるのが、マーケティングを独立したものと考えるのではなく、企画、商品開発、セールスなどのビジネス全般の根幹として捉えているという点は素晴らしいと思いました。

最後に
従業員4人の素材メーカーが、国・業界・医師会・メディアなどを巻き込み、市場そのものを作り上げていったという点は、少数精鋭で事業を行っている方には非常に参考になるかと思います。

強い信念を持ち、ストーリーを思い描き続けた結果、自社の利益のみでなく様々な領域にわたって利益を生み出し、現在までも継続した良いイメージが作られているキシリトールの成功事例は一読の価値があるかと思います。

書 籍:『99.9%成功するしかけ キシリトールブームを生み出したすごいビジネスモデル』
著 者:藤田康人
発行元:かんき出版

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