「タダでテレビに取り上げられる方法」石田章洋・著

「タダでテレビに取り上げられる方法」石田章洋・著

お世話になっております。

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の井上です。

今回は、テレビPRに関するおすすめ書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:人気情報番組の放送作家がこっそり教える『タダでテレビに取り上げられる方法』
著 者:石田章洋氏
発行元:日本実業出版社

著者の石田章洋氏は、放送作家歴30年。「情報・報道番組」を中心に「情報プレゼンター とくダネ!」「Mr.サンデー」「プライムニュース」(フジテレビ)、「ワイドスクランブル」(テレビ朝日)など、これまで7000番組以上を担当し、2019年より、長年かけて培った放送作家の経験と人脈を活かした ”PRアドバイザー” としても活動中です。

テレビ番組の裏側まで知り尽くした石田氏の「タダでテレビに取り上げられる方法」、具体的な内容が入っていないわけがありません。元テレビ局報道記者の私も、なるほど!と感じたポイントを順にご紹介します。

メディア・リテラシーが高まった時代、テレビは本当にオワコンなのか

「若者のテレビ離れが加速している…」

そんな報道を目にするようになりましたが、巷で言われるように、”本当に” テレビの影響力は低下しているのでしょうか?

石田氏は著書の中でこの疑問に対し、「SNS時代だからこそ、テレビの影響力は絶大だ」と断言しています。

石田氏はそう考える背景として、情報爆発時代のPR戦略として、「テレビ」と「ネット」の違いを理解することが大切だと伝えています。具体的には、

  • ネット:「個」にアプローチするメディア
  • テレビ:複数の人がコンテンツを同時に楽しめるだけでなく、男女や年代問わず情報を共有できるメディア

上記を踏まえると、テレビ発の情報は、SNSで共通の話題として拡散されやすい性質を持っていることがわかります。かつては「ネットはテレビの敵」といった言説もありましたが、むしろ今やテレビが発信するニュースや情報は、ネットニュースやTwitterなどのSNSによって広まっている、という方が正しいようです。

実際に毎日のTwitter上位トレンドワードを見ていても、#めざましテレビ #スッキリ などニュース情報番組のハッシュタグが放送時間に合わせてトレンドワードとして急上昇しており、視聴者がテレビを見ながらSNSで各々の思いや情報をシェアしていることがわかります。

読者の皆さんの中でも、そのような経験があるのではないでしょうか。

テレビの変わらぬ影響力を客観的なデータで読み解く

テレビ番組に取り上げられるとSNSで拡散されていく情報社会の構図をお伝えしましたが、それでもまだ「テレビって若い人は見ていないし、本当にインパクトあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。

この本では、視聴率データからもテレビPRの現在地を客観的に伝えています。例えば、テレビの視聴率1%は、全国で100万人が見ていることを表しています。もう少し詳しくお伝えすると、関東地区だけの放送の場合は40万人、関西地区だけの放送の場合は約16万人が視聴したことになります(ビデオリサーチ調べ)。

この数字を聞いて、意外と多い!と感じた方が多いのではないでしょうか。他のSNSと比較してみると、YouTubeで動画が100万回再生されれば、それだけで話題になる時代、テレビなら100万人に見てもらったとしても視聴率はわずか1%なのです。

私の経験から振り返っても、ニュース情報番組であれば視聴率は少なくとも4%以上で推移していますので、ということは、一度ニュース情報番組に取り上げられると、それだけで全国で400万人以上が見ている計算ですね。

上記の観点から、石田氏はテレビがオワコンどころか、今も最も影響力を持ったマスメディアであり続けており、ネットで拡散されることによって、その影響力はむしろ強まっている、と分析しています。

PRパーソンの「テレビPRはハードルが高い」は思い込みなのか

ここまでお伝えすると、今も影響力の強いテレビには、しっかり露出したいものです。

しかし、PRパーソンの皆さんの中には、プレスリリースや企画書を何度も送っても、一向に反応が返ってこない… そんな経験から「新聞やWEBメディアよりテレビに取り上げられるのは断然ハードルが高い」と考えている方も多くいらっしゃるかと思います。

石田氏の著書では、タイトルにもある「どうすればタダでテレビに取り上げられるのか」について、番組のネタ出し会議(※番組プロデューサーやディレクター、放送作家など制作に関わる者が出席する定例会議のこと)の経験をもとに、「テレビが飛びつく4原則」として解説しています。

◆ テレビが飛びつく4原則
1.「なぜ、今か?」がわかる
2. 公共性がある
3.「なぜ、それか?」(差別的優位性)がわかる
4. 画(映像)になる

上記の4原則の詳細なアプローチ方法は、本の中に詳しく書かれていますので、ぜひ読んでみてください。

「テレビPRはハードルが高い」というのは、視点を変えれば、テレビ番組の製作者に刺さる切り口の提案が出来ていない、ということかもしれません。4原則を踏まえた企画の提案が番組に出来れば、今後の反応はきっと変わるはずです。

書 籍:人気情報番組の放送作家がこっそり教える『タダでテレビに取り上げられる方法』
著 者:石田章洋氏
発行元:日本実業出版社

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