ウェンディーズ・ジャパン株式会社 ファーストキッチン株式会社 代表取締役社長 紫関 修さま

ファストフードチェーンとして関東・関西を中心に展開するウェンディーズ・ファーストキッチン。全国に54店舗を構え(2022年12月1日時点)、幅広い年齢層のお客様に愛されています。

店舗形態としては、ウェンディーズ(本社:アメリカ)とファーストキッチン(本社:日本)2つの有名ハンバーガーチェーンが融合する形で運営。それぞれのメニューを掛け合わせた相乗効果により、ハンバーガー以外にもパスタやデザートを提供するなど、他のハンバーガーショップとは差別化された特長を有しています。

また、今後の更なる展開を見据え、トレーラー型店舗を導入するなど斬新な企画も精力的に実施。

こうした進化を遂げ続けているウェンディーズ・ファーストキッチンの代表取締役 紫関 修さまに、広報活動への考えや弊社のサービスについてお話を伺いました。

ブランド認知の深化と社内体制が課題に

「ウェンディーズ・ファーストキッチン、というブランドを知ってほしい」これが広報活動をする上での一番の想いでした。
2015年に日本で「ウェンディーズ・ファーストキッチン」第一号店をオープンして以来、徐々に名前は知られてきたものの、どんなブランドなのか?といった内面に関してはまだ認知されていない状況でした。ハンバーガーチェーン市場では既に他の大手企業が注目されている中、自社の存在感を高めるための戦略が問われていたのです。

こうした背景のもと広報担当を配置したものの、ゼロからのスタートだったため上手く機能していませんでした。担当者は他の業務とも兼任しており、広報活動が後手に回ってしまうこともしばしばありました。

また、弊社含め外食チェーン業界は全体的にインナー志向の傾向が高いと考えています。あくまでも自社がこれまでに築いてきたカルチャーや価値観、成功体験を重視し、踏襲していく。そのため、前例の無いものに取り組むことへの抵抗感があり、「広報」という活動自体もまだまだ浸透していません。

この状況を改善するためには、自社の外側からの視点も取り入れることが必要だと考えました。
そこで出会ったのがベンチャー広報です。

最適な広報手段を提供するスキルに期待

ベンチャー広報にお願いをすることに決めた理由は大きく2つあります。

まず1つ目は、広報に対する考えやフィーリングが非常に合ったことです。
私は、広報の成果を測るのはメディア露出数や売上などの数値データだけではないと考えています。それよりも、前提として「誰に対して何を届けたいか」を定め、その目的に対してどこまでリーチできたのか、どれほど伝達できたのかを成果として測るべきだと思います。
ベンチャー広報とお話する中で、こうした考えが合致しており、お話される内容にも非常に納得ができたのは良かったと感じます。

2つ目としては、ベンチャー広報がもたれている実績ですね。
社名の通り、ベンチャー企業の支援実績が豊富にあります。ということは、コストが限られていたり、中小規模の企業に対しても最適な広報手段を考え抜いてくれるスキルがあると考えました。
有名な企業や大手企業の実績よりも、私たちを含めてなかなかプロダクトの差別化や認知の獲得が難しい中でどうやって、ブランドを広めていくかはやはりスキルが必要なので、そこを重視しています。

実は問い合わせをした当初、あいにく3ヶ月待ちとのことだったのですが..、それでもベンチャー広報と一緒に取り組みたいと思い、待ちました。

あとは、広報を外部のパートナー会社 と進めるということは、自分たちの代理として売り込みに行ってもらうことにもなります。となると、やはり会社の顔として考えたときに雰囲気は大事にしたいところです。そういった点で、ベンチャー広報のPRコンサルタントさんの雰囲気や真面目な印象が良かったというのもありますね。

快適かつ真摯な心強いサポート

実際にベンチャー広報と広報活動をして感じたのは、一言で表すと「快適」です。
私としては打ち解けた雰囲気でやりとりをしたかったこともあり、最初は、自社で取り組みたいことをかなりストレートに打ち明けました。それを非常に真摯に聞いていただき、アドバイスも的確でした。これは担当者さんのノウハウや実績に裏付けられたものだと感じます。

私自身、こちらの意見になんでもイエスと答えるような、クライアント寄りの対応をされては我々の広報スキルが伸びないと考えています。そういった観点からも、広報をよく理解している担当者さんの経験則の中でダメなところを指摘いただき、改善点も提案してくれるような姿勢はありがたかったですね。

また、自社の人間だけで広報活動を進めると、どうしても考えが偏る傾向があります。
一方、ベンチャー広報は、自社・視聴者・マスコミとさまざまな視点から物事を捉え、先回りして提案をしてくれるのでとても助かりますね。その上、継続的にサポートをいただいているので、「過去の取材ではXXと答えていたが、今回は〇〇という表現で大丈夫か?」といったようなフォローも入れてくれます。そういった細かなことも覚えて即座に指摘してくれる点も心強いです。

広報という取り組みである以上、「どのように発言するか」でメディアからの印象も変わります。そこを自社内だけで作り上げ、メディアと良い関係性を構築するのは難しいものです。そういった点をベンチャー広報と伴走しながら考えていけることは非常に良かったと感じています。

業界大手と戦うための取り組みと成果

もちろん、広報活動の進めやすさにおけるメリットを受けるだけでなく、具体的な成果も現れてきています。最近ではWebをはじめ、テレビや雑誌新聞などさまざまなメディアへの露出が増えていますね。特に、活動開始月には直営初のドライブスルー店舗となった神奈川県の「246秦野店」​​のオープンがあったのですが、その際にWBS(ワールドビジネスサテライト)に出演することができたのは社内でも多くの反応が得られました。

こうしたメディアの露出数や売上などの数値データは、社内のモチベーション向上や広報の効果を説くためには効果的だと思います。ただ、その上で重視してきたいのはやはり「ねらいとする視聴者が自社を認識してくれること」です。著名なメディアに出演できたのか、何回出演したのか、といったことよりも、PRを受けて「ウェンディーズ・ファーストキッチンはこんな想いで取り組んでいるんだ」「前向きにチャレンジしている会社なんだ」と、ブランドの理解を深めてもらうことが大切です。

自社のブランドへの理解を深め、イメージを作り上げていくこと。ここが広報の難しいところでもあり、自由・面白さでもあるんじゃないかなと思います。

弊社では2022年の9月に、自社で初となるトレーラー型の店舗をオープンしました。その際の広報活動においても伝えたかったのは、「トレーラー型の店舗をオープンした」という単なる事実よりも、「ウェンディーズ・ファーストキッチンがどのような想いで活動をしているのか」といったブランド面でした。この店舗オープンは報道番組各社で取り上げられましたが、ベンチャー広報はこの考えをよく汲み取って、ブランド面を前に出せるよう適切にサポートしてくれました。

このように露出を増やしていき、自社の名前とブランドを売り出していくことは、視聴者やメディアから想起されるためにも必要不可欠だと思います。同年の秋、各メディアが「月見対決」として複数のハンバーガーチェーンの月見バーガーを取り上げ、その中に弊社の製品も挙がっていたのですが、これもそれまでのメディア露出の蓄積があったからこそだと思いますね。

メディア露出を増やすためには、きっかけとなる製品やイベントが必要となってくるかと思いますが、ここにはマーケットインの視点が重要だと捉えています。特に食べ物に関しては、時期ごとの流行が顕著に現れる傾向にありますよね。こうしたトレンドに前向きに乗っかり、柔軟に開発していくことが、特に我々の規模の外食チェーンにとっては効果的だと思います。大手の会社であれば、製品開発に半年前から時間をかけることもあります。その点、我々であればより短いスパンで対応ができます。そうした強みを活かし、着実に取り組んでいくことで自社の存在感を高めていく。業界大手と戦うために必要な取り組みの一つですね。

さらにウェンディーズ・ファーストキッチンを知ってもらうために

1年目、まず自社の名前を知ってもらうという点で非常に良いスタートが切れたんではないかと思います。来年はブランド自体を売り込んでいきたいですね。
例えば、「ウェンディーちゃん」の愛称で知られるキャラクターがいます。このキャラクターを活かして、若者に親しみをもってもらいたいです。キャラクターをきっかけに、商品や技術も認知してもらい、「ウェンディーズって何?」と言われたときに、ブランド、キャラクター、プロダクトなどが一緒に想起されるよう多角的に施策を検討しています。

広報はじわじわと、しかしボディブローのように着実に効いてくるものだと考えているので、1〜2年で判断せず、長期的に取り組んでいきたいと考えています。
隣にベンチャー広報がいると安心できますね。引き続き、力強いサポートを期待しています。