「肉汁餃子のダンダダン(敬称略、以下ダンダダン)」は本格的な餃子チェーンとして、今では知らない人の方が珍しいお店になりました。2011年 調布に1号店をオープンしてから、10年ちょっとで130店舗まで拡大。飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しています。
ダンダダンの成長の秘訣の一つに、卓越した広報PR術があると思っています。
その戦術の上で展開されたダンダダンの広報PRの成果は
・メディアリストゼロから広報部隊を立ち上げてて、2年で30報道獲得
・東京のほぼ全てのキー局(1番~9番)を制覇
・2023年も37件の外部メディアの露出を達成
など目を見張るものがあります。
そして当時ダンダダンの広報責任者をされていた方にインタビューする機会がありました。
この方がまさに敏腕広報PRパーソンだったので、ブログでもシェアしたいと思います。1つでも役に立つ、学びになる内容があれば嬉しく思います!
【ここがスゴイ①】テレビ番組に非常に詳しい
この会社の広報担当者のすごいところは、テレビ番組に非常に詳しい点です。
ダンダダンで広報PRを立ち上げた際は、メディアリストは1件もなかったそうです。そのため広報担当者は「まずは相手を知る」という意図でテレビ番組をとにかく見続けました。
もちろん娯楽として見るのではなく、テレビ番組というものを深く知るために以下のようななことを考えながらみていたそうです。
・この番組のこの枠は、どんな企業が露出しやすいのだろう?
・もしダンダダンが露出できたら、どんな化学反応が起こるだろう?
・この番組はどのような意図や企画で運営されているのだろう?
特にダンダダンのターゲットとなるような番組については、それこそ血眼になって番組を見て、分析して、考えていました。
「広報PRパーソンならテレビ番組には熟知していた方がいい」とはよく言われることですが、ここまで徹底している人はなかなかいません。
【ここがスゴイ②】広報担当者ではなく番組制作者の視点で企画提案をする
これは「相手の立場に立って考える」究極の形の一つだと思います。多くの広報PRパーソンは広報担当者として、企画を練ってメディアに持ち込みます。
しかしダンダダンの場合は番組制作者の視点でメディアへの企画提案を行っていました。そうすることで、テレビに取り上げていただく機会が増えていったそうです。
「番組制作者の視点で企画を考える」ということは、番組撮影時の各タレントさんのコメントや絡みまで想定することを意味しています。
特にレギュラー番組であれば出演者は大抵決まっていますし、各タレントさんの役割も何となく想像できてしまうものです。
テレビ番組にはアナウンサー・記者だけでなく、アイドルや俳優、流行りのお笑い芸人、学者などなど、本当に多種多様な人たちが出演していて、それぞれが果たす役割が何となく決まっているのです。
「誰がどんな役割を追っているのか」までテレビ番組を精緻に分析しているからこそ、ただ広報PR担当としてではなく、番組制作者視点での企画提案が可能になったのだと思います。
【ここがスゴイ③】しっかり時流を抑えている
報道獲得は時流や季節性がとても重要です。王道的なやり方ですが、ダンダダンもしっかりと抑えていました。
実際にダンダダンが獲得した以下の報道は時流や季節性を意識したゆえだと思います。
・日本テレビ「dayday」子ども食堂について
・NHK「ニュースLIVE!ゆう5時」訪日外国人来店について
・雑誌「月間食堂」2023年6月号でITシステム導入について
夏休みの食事問題、好調なインバウンド需要、DXなど社会性をはらんだ形で報道獲得に成功しています。
まずはテレビ番組を知り尽くす。
知り尽くしているからこそ、番組制作者の視点で企画提案ができる。
企画提案に時流や季節性を絡ませる。
こう見ると、驚きや新しい発見はないかもしれません。
しかしその事実は、「ひたすら基本的なことをやり抜くことで圧倒的に報道獲得ができる」という証拠にもなっていると思います。
何か一つでも刺激や学びになることがあれば嬉しいです。
今日のブログは以上です!