『小さな会社の広報・PRの仕事ができる本』山見博康・著
広報PR・おすすめの一冊

『小さな会社の広報・PRの仕事ができる本』山見博康・著

今回は、広報に関するおすすめ書籍をご紹介します。

書 籍:『小さな会社の広報・PRの仕事ができる本』
著 者:山見博康
発行元:日本実業出版社

この書籍は広報業務をわかりやすく解説した実用書です。広報とメディアの役割、プレスリリースや取材対応といった業務がどんなものなのかを理解できるだけでなく、様々な手法と考え方も具体的にまとめられた、広報の教科書とも言える一冊です。

【著者について】

著者の山見博康氏は、九州大学経済学部卒業後、神戸製鋼所へ入社。広報課長、広報部長を歴任し20年近くにわたり広報畑を歩まれました。2002年に独立し、広報PR・危機対応のエキスパートとして企業への広報指南のほか、セミナー登壇やPR関連著書の執筆をされています。

【書籍の概要】

本書は2013年に発行され、企業における広報活動の意義と効果、実際の広報業務の流れや取り組み方、メディアの役割、地方にある企業の広報活動や成功事例などを集約。必要な知識とすぐに実行できるノウハウ、巻末にはメディアの方からのコメントまで、広報の「知りたい」が詰まっています。

本書の前半では、「広報・PR業務の大まかな流れ」と「メディアの役割と特徴」として、メディアに向けて自社情報を伝えるにあたり、どのような視点と考え方をベースにすると良いか記されています。広報でよく言われる「情報の切り口」についても、それを明確化するために“特長”と“差別点”を洗い出し、記者からの質問を予測することで、情報の肉付けをしていく手順が具体的に紹介されています。

さらに、記者へのコンタクト方法、取材準備~取材後、記事掲載のプロセス、受け答えのポイント、メディアの種類や組織、記事になるプロセスといったメディアの基本的な構造についても学ぶことができます。

この“特長”と“差別点”の洗い出し、記者からの質問予測は、繰り返し実践すると広報スキルが磨かれます。これを実践しながら、取材時の記者の反応や、記事掲載の見出し・内容と照らし合わせることで、記者に刺さる情報づくりのノウハウが、日々の広報業務の中で自然と蓄積されていくはずです。

本書の中盤では、広報担当者の誰もが一度は悩んだことのある「ニュースになるネタとは?」について、記されています。

広報活動を継続的に行うなかでは、ネタとなる情報が乏しくなる時期もあります。そのような時にこそ、第3章でまとめられている『記者が興味を抱くネタ』『ニュースネタ探しのキーワード32か条』は非常に参考になります。

会社の中では当たり前と思っていた事そのものがニュースネタとなったり、旬の話題に結び付けて過去の情報を活用したりと、手元にある情報を見直して切り口やネタを見つけるポイントを掴めると思います。

また、新しい情報をまとめている時に「この情報では何か物足りない…」「この切り口で良いのだろうか?」「そもそも発表方法は、プレスリリースで良いのか?」と迷った時に、客観的に情報を精査する方法として、実践してみてはいかがでしょうか。

続いて、プレスリリース作成の基本からウェブ活用についても触れられています。今ではプレスリリース配信サービスやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用する企業も多いと思いますが、自社で情報発信できる機会(ホームページ、SNSアカウント、ブログなど)にはどんなものが活用できそうか考えてみるのも良さそうです。

本書の後半は、地方の企業にフォーカスし、その地方や業界内での知名度・イメージアップを図り、首都圏メディアへのアプローチを進める手法を学ぶことができます。さらに、地方にある中小企業が行った広報の成功例も紹介されています。継続したメディア露出のために実際に行った広報活動の記録と、それぞれ成功に繋がったポイントが明確で判りやすいです。事例企業は小売業、運送業、農業、BtoB製造業もあり、業種を問わず一読をおすすめしたい興味深い内容です。

最終章には、主要メディアの方々から広報へのアドバイスコメントも充実しています。7年前に発行された書籍のため、メディアの担当者名や連絡先など最新ではない内容もありますが、中小企業の発する情報に対してメディアがどのような視点で接しているか非常に参考になります。

特に、『小さな会社向けの企画はあるか?』という項目への回答は、各メディアの中小企業を取り上げる姿勢が判ります。ここに記載されているコーナー名などが今は変わっているものもありますが、各媒体を日々チェックすれば中小企業を取り上げている記事が多数あることでしょう。

また、「有名企業じゃないから…」「広報経験が少ないから…」と考えている方には、『小さな会社に対する基本的な考え方は?』『応援メッセージ』の項目を読み、メディアの方へアプローチする自信をつけていただくのも良いかと思います。

最後に、企業規模を問わず広報・PRが行われている昨今ですが、そもそも「社内に広報経験者が居ない」という企業は少なくありません。複数の業務と兼任で広報担当をしているケース、“ひとり広報”という言葉もあるように広報業務の相談のできる相手が社内に居ないというケースも多いのではないでしょうか。

今回紹介した書籍は、まず「何から始めればよいかわからない」という方や「どのようなアクションをすれば取材に繋がるのか」という問いに対し、適切な考え方と手順が示されています。広報をこれから始める方にも、今の広報活動を見直したい方にも大変参考になる内容かと思います。

書 籍:『小さな会社の広報・PRの仕事ができる本』
著 者:山見博康
発行元:日本実業出版社

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記事の執筆者
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