スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報です。
新型コロナウィルスの影響で、今、メディアキャラバンがとても進めにくい状況になっていますね。各出版社も、社員の出社・撮影・打ち合わせなどの自粛を発表していますので、メディアへのコンタクトも取りにくい状況になっています。
「メディアにアポイントが取れないと、何をしていいのかわからない」という方も多いと思いますが、こういうときこそ「媒体調査」に時間をかけてみるのをおススメします。普段、プレスリリースを書いたり、メディアキャラバンをしたり、そちらを優先させて、じっくりと媒体調査ができていない広報担当の方も多いのではないでしょうか?
言わずもがな、「媒体調査」は広報PRにとって、とても重要です。
女性誌に限らず、ビジネス系やテレビでも、PRに携わる人には最重要業務なのですが、こと女性誌に関しては、これができていないとハッキリ言って話になりません。
私はベンチャー広報に入社する前、女性向けの化粧品や消費財に特化したPR会社に所属しており、女性誌へのアプローチをメインにPRをしていました。約50誌以上の雑誌を定期購読し、その特集・企画内容・記者名など徹底的な媒体調査を毎日の習慣として行っていました。
そのやり方を、一部公開したいと思います。
まずは特集、企画のタイトルを書き出してみる
雑誌を見ると、一番最初(もしくは最後)の方のページに目次があります。
目次はとてもわかりやすく、ファッションはファッション、美容は美容、連載は連載、と分けて書いてあることが多いです。すべての雑誌を1P目からめくってタイトル書き出すのはとても大変なので、目次をうまく使って、そのタイトルをすべて書き出してください。
また、タイトルにはPR切り口となるキャッチーなワードが散りばめられています。タイトルを書き出すことは、PR切り口の開発やプレスリリースのタイトルを考えるときの勉強にもなります。
ここでは、現在発売中の集英社「BAILA」5月号の美容ページを例に挙げてみます。
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- 【特集①】
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- 転ばぬ先の30代美容
企画
part1:ブライトカラーが呼んでいる 夏新色メイク図鑑
part2:長井かおりさんがリアルニーズに全力回答 新作ファンデーション乗換案内
part3:その水が肌を変える 30代のためのパワー化粧水ナビ
【特集②】
脚裏を伸ばせば生きてるだけで痩せてくる!
こんな感じになります。
特集・企画内容をみて、”ざっくり” テーマが何かを把握する
特集・企画のタイトルを目次から書き出したら、次に実際にページをめくって、それは ”ざっくり” どんなテーマの特集・企画なのかを見てみてください。
媒体調査の目的の1つは、「どの時期にどんなテーマの話題を取り上げられているのか?」を把握する事です。それをするためのポイントは、 ”ざっくり” 把握すること。
もう一度BAILAで例を挙げてみると…
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- 【特集①】
-
- 転ばぬ先の30代美容
企画
part1:ブライトカラーが呼んでいる 夏新色メイク図鑑
→メイク
part2:長井かおりさんがリアルニーズに全力回答 新作ファンデーション乗換案内
→メイク
part3:その水が肌を変える 30代のためのパワー化粧水ナビ
→スキンケア(ハイテク、瑞々しさ、つや、うるおい、などの化粧水)
【特集②】
脚裏を伸ばせば生きてるだけで痩せてくる!
→ダイエット(脚痩せ)
こんな感じで ”ざっくり” でいいのです。
担当編集者、担当ライターを書き出す
だいたいの特集・企画は担当している編集者、ライターさんの名前が誌面にちゃんと書いてあります。
ページの一番下、もしくは特集・企画タイトルの横に小さな字で書いてあることが多いです。見るべき(書き留めるべき)名前は、【取材・文】に書いてある名前と、【構成】に書いてある名前です。
特に美容企画には、フリーの美容ライターさんや美容ジャーナリストなど美容有識者の方が多く関わり、編集部の担当者と一緒に企画を作っていることが多いです。
この企画は誰が担当していたのか把握するためには、【取材・文】に書いてある名前と、【構成】に書いてある名前をピックアップして、そのあと、編集部の方かフリーの美容有識者なのかを調べていきます。
過去3年分調べたら、ランキング発表!
ここまでの作業をまずは過去1年分すべてやってみてください。
そしてさらに、もう2年分(計過去3年分)やってみると、
「だいたい毎年4月にはこの特集で、6月にはこれで」と傾向が把握できます。
そうすると、おのずとPR切り口が見えてくるはずです。
また、編集者やフリーの美容有識者(ライター)の名前については、まずは編集部の方なのか、外部のライターなのかを調べます。編集部の方であれば、情報提供するべき担当者なので、編集部に電話してキャラバンするときにはその人目掛けて電話すればいいという事ですね。
重要なのは、美容有識者にあたる外部のライター/ジャーナリストさんです。
アクティブに活躍している人を把握するために、私はランキングをつけるようにしています。
直近1年で一番この雑誌で書いていた人は誰なのか?
直近3年間でそれは変わってきているのかどうか?
やはりアプローチなら、現在進行形で活躍している方にアプローチした方が、掲載のチャンスは多いですからね。
キャラバンができなくても、やるべきことはたくさんある!
「発信できるネタがない」
「今は何やっても取り上げられるタイミングじゃない」
といって広報PRを止めてしまうのは非常にもったいないです。
広報担当者は、こういう時だからこそやるべきことはたくさんあります。
媒体調査は、なかなか時間がかかりますし、要領よくやる方法はあまりありません。時間をかけて地道にやるしかないんです。
この外出自粛でなかなかメディアキャラバンもできない時間を逆チャンスと捉えて、媒体調査に時間をかけることで、いざ時が来た時に適材適所にアプローチできるよう、準備をしてみてはいかがでしょうか?
ぜひ参考にしてみてください。