PR会社の変なところを全部やめたら、会社も社員もクライアントも幸せになった!
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PR会社の変なところを全部やめたら、会社も社員もクライアントも幸せになった!

~PRコンサルタント募集中~

スタートアップのためのPR会社 ベンチャー広報の野澤です。 (随時、PRコンサルタントを募集しています。採用情報はこちら) 私がベンチャー広報を立ち上げに至る強烈な原体験の一つに、自分がPR会社へ発注しようとした時に「料…

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

(随時、PRコンサルタントを募集しています。採用情報はこちら

私がベンチャー広報を立ち上げに至る強烈な原体験の一つに、自分がPR会社へ発注しようとした時に「料金が高すぎてできなかった」というものがあります。

その後、「もっと安くてきちんとしたサービスを提供してくれるPR会社ってないの!?」という思いでいろいろと調べたり、PR会社の関係者に話を聞いたりするうちに、PR会社の料金が高額になってしまう理由が見えてきたんです。

こんなことを書いたら業界の方に怒られそうですが…、長年思っていたことを思い切って書いてしまおうと思います。

外注しようと思ったら月額100万円! 何でこんなに高いの?

これは、私があるベンチャー企業で初めて広報担当になり、PR会社へ見積りをとったときの話です。

マスコミ側の経験はあったものの、企業広報は初めて。しかも知名度もないベンチャー企業ですから、ぜひプロの力を借りたいと考えました。しかしながら、複数のPR会社からいただいた見積りは、全て月額80万円~100万円。しかもすべて1年契約です。

年間1000万円もの予算なんて、まだ小さい会社が払える金額ではありません。結局PR会社への発注をあきらめ、自分でノウハウを確立することになりました。

ここが変だよ、PR会社。月額費用が高くなる理由

私が調べて見えてきたPR会社の料金が高い原因は、主に次の5つです。この5つは、「クライアントの成果に貢献する」ことに直接影響する部分ではないのに、非常に高コストになりがちな要素です。

1.営業コストが高すぎる

「PRの戦略立案を(受注する前の)提案段階で詰める、さらにそれをパワポ20~30枚の提案資料として作り込む」。

一般的なPR会社では、これが当たり前になっています。しかし本来、戦略立案は契約後にお金をもらって提供するべき価値です。確実に受注できるわけではないのに、毎回時間や人手が取られてしまうため、コストアップにつながってしまいます。

また、コンペが多いのも、営業コストがかかる理由の一つ。コンペ参加のために、提案書は必須ですから。とにかく「受注前の営業活動」にコストがかかるので、実際に受注したクライアントから高い月額費用を取らざるを得ないのです。

2.担当者が多すぎる

だいたいのPR会社は1つのクライアントに対して3人以上のチームを組んでおり1人はアカウントエグゼクティブ、もう1人はプロモーター、残りの1人はプランナーといった具合に役割分担しています。

もちろんその全員が、打ち合わせや定例ミーティングに参加する。携わるスタッフの数の多さは、すべて月額費用に反映されます。

3.月次報告書が充実しすぎている

クライアントへ毎月提出する報告書にも、かなりのコストがかかります。月間の活動内容や成果を詳しく記すため、作成に割かれる時間と労力が大きくなってしまうのです。

そのぶんのコストが料金に反映されるわけですが、同じだけの時間と労力を報告書作成ではなく、取材を獲得する活動に使ってほしいと思うクライアントも少なくないのでは? と思います。

4.契約期間が1年で、途中解約できない

広報PRの仕事は本質的に不確実性が高く、どんなに素晴らしい提案書を作成しても、当初の想定通りに進むことはあまりありません。

それでも、1年契約で途中解約もできないので、相性が合わなかったり、成果が出せなかったりするクライアントでも契約を継続させるために、PR会社はすさまじい努力をするのです。でも、これはPR会社として本質的な価値提供を考える上で、不必要に高いコストになり得ます。

5.オフィスの賃料が高い

大手や中堅のPR会社は、都内に立派なオフィスを構えていることが多い。当然家賃も高い。そして、その家賃もクライアントへ請求する料金に上乗せされています。

PR会社の「変だよ」な部分は、じつは全部やめて大丈夫だった

ベンチャー広報では、私から見て「本来あるべきクライアントファーストの姿」から遠ざかっている、PR会社の「変だよ」な部分をすべてなくしました。

そうしたらどうなったか? まったく問題なかったです。

むしろ、無駄なコストを抑えられたことによって、高品質なPRを提供しながらクライアントからいただく費用を1/2~1/3程度まで抑えられ、さらに業界平均より(おそらく)高い給与を社員に支払うことができています。

※給与体系についてはこちらの記事(「私が経営者として考えた、社員の幸福度を高める給与体系」)でお話ししています。

復習:PR会社の月額費用が高くなる理由

PR会社の料金が高い原因は、主に次の5つです。

  • 営業コストが高すぎる
  • 担当者が多すぎる
  • 月次報告書が充実しすぎている
  • 契約期間が1年で、途中解約できない
  • オフィスの賃料が高い

PR会社の「変だよ」な部分をすべてやめたベンチャー広報

上記の要素は、正直「広報PRでクライアントに貢献する」という観点では、絶対に必要とは言えないものばかりです。ベンチャー広報では、私が思う「本来あるべきクライアントファーストの姿」を追求したかったので、PR会社の「変だよ」な部分をすべてなくしました。具体的にどのように対応したのかご紹介します。

1. 営業コストが高すぎる→受注前に戦略の提案はしない、コンペも参加しない

ベンチャー広報は、「受注前の詳細な提案」は一切しません。コンペも断ります。

弊社のノウハウや実績をお話しして納得してもらえれば契約だし、「提案書が無ければ無理です」と言われたら、弊社とは合わなかったと判断します。もちろん、1~2枚の見積書は作りますが、必要以上の時間はかけません。

「提案書ありで高い料金を支払うのと、提案書なしで安い料金で発注するの、どちらがいいですか?」とクライアントに聞くと、たいがい皆さん、後者を選ばれます。

2. 担当者が多すぎる→メインの担当者は1人+もう1人でバディ制に

担当者は原則1名。1人が責任を持ってクライアントを担当します。ただ、ママ社員も多いので、突然対応できなくなるときなどに備えて、もう1人サブ担当を付け、情報を共有する仕組みにしています。

このやり方はスタッフ数が少ない分、クライアントへの請求金額が抑えられるというだけでなく、担当スタッフ1人に情報が集約するので、スタッフ間の情報共有などの社内コミュニケーションコストが最小限で済むという利点もあります。

大手のPR会社では、アカウントエグゼクティブ、プロモーター、プランナーなど、分業制になっている会社がほとんどです。これは会社にとっては効率的かもしれませんが、スタッフ本人のキャリアにとってはマイナスではないでしょうか。

PRコンサルタントというのは、PRの戦略策定から実行、クライアント対応まで全てひとりできなければ、一人前とは言えません。分業制で、PR活動の一部分だけを担当する会社の歯車でいる限り、いつまでたってもプロのPRコンサルタントにはなれません。

担当者が1人でクライアントワークの全てを行うからこそ、そのスタッフはPRコンサルタントとして成長できるのです。

3. 月次報告書が充実しすぎている→分厚い月次報告書はナシ!要点を絞ったレポートのみ

ベンチャー広報は、月次報告書を出しません。施策や結果、今後の戦略は都度しっかりと報告しますが、月次とは決めていませんし、要点を絞ったレポートをお出しすることはあっても、必要以上の資料は作りません。

「必要以上に充実した報告書ありで高い料金と、要点を絞ったレポートのみで安い料金、どちらがいいですか?」とクライアントに聞くと、こちらもたいがい皆さん、後者を選ばれます。

4. 契約期間が1年で、途中解約できない→基本は6ヶ月契約で途中解約可能

契約期間は基本6ヶ月。綿密な年間計画を提示しているわけではないので、成果を見ながら戦略を柔軟に変えて対応します。また、弊社ではクライアントが途中で解約を申し出れば、契約期間中であっても弊社はそれを受け入れます。

契約前に、成果が出るか、相性がいいかは見極めますが、仕事は「実際にやってみないとわからない」もの。契約期間で縛るより、お互いにとって最良の選択を都度できたほうがいいですよね。

5. オフィスの賃料が高い→出社義務なし!直行直帰推奨!

オフィスは一応ありますが、あくまで最低限。出社義務をなくし、リモート作業や自宅からの直行直帰を推奨しています。リモートでも働きやすい環境を作り、社員の満足度を高めつつ、オフィス代という大きな販管費を抑えているのです。

なぜPR会社はコストを抑えられないのか

これらのすべてを削っても困ることはなく、むしろクライアントの満足度も、社員の働きやすさも高い状態をキープできています。

では、なぜほかのPR会社はベンチャー広報の方なコストダウンができないのでしょうか? 一つには、PR会社の多くが大手企業をターゲティングしていることがあります。競争が激しいため、受注するには提案の段階から頑張らなければなりません。

また、クライアントとPR会社のあいだに大手広告代理店が入っているケースも多く、広告代理店から求められるという理由で提案書や月次報告書を簡素化できない面もあるでしょう。契約期間も自分たちだけでは決められません。

となると、削れるのは担当者の数とオフィス賃料です。分業制は企業としてメリットもあるので一長一短ですが、オフィスに関しては、無くしてしまっても大丈夫だと思います。

PR業務でもっとも大切なのはコミュニケーション。マスコミ関係者やクライアントと顔を合わせる回数は多い方がいいけれど、こちらから訪問することが多いから、立派なオフィスは必ずしも必要ではありません。プレリリースなどの作成作業も、ノートパソコンとスマホさえあれば、自宅やカフェでできます。

ほかのコストをなかなか削れないPR会社は、いっそのことオフィスをなくしてしまえば、クライアントにもっと安くサービスを提供できるのではないでしょうか? ベンチャー広報では、随時PRコンサルタントを募集しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人