契約期間中でも途中解約できる仕組みは、クライアントと社員の幸せにつながる
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契約期間中でも途中解約できる仕組みは、クライアントと社員の幸せにつながる

ベンチャー広報の野澤です。

この度、契約内容を大幅に変更しました。
前回お伝えしたように、ホームページリニューアルの背景には「PRに取り組むハードルを下げたい」という想いがあるのですが、取り組むハードルを下げるからには、辞めるハードルも下げるべきだと考えました。それを実現したのが、今回の契約内容変更です。1ヶ月前に告知をすれば、期間中であっても契約解約ができるようにしています。

この変更を実現した背景にも、既存のPR会社に対する課題意識があります。今回は、なぜこのような変更を決めたのか、そして具体的にどのように変えたのか、についてお伝えします。

契約期間内でも、途中解約可能に

一般的なPR会社の場合、1年という契約期間を設け、契約満了まで解除できない仕組みになっています。私はPR業界にいながら、「この仕組みは本当にクライアントの満足につながるのだろうか」と、ずっと疑問に感じてきました。今回の契約内容変更では、その疑問を解消しています。下記が実際の契約書です。

簡単に言うと、「契約期間に関わらず、1ヶ月前告知で解約できる仕組み」に変更しています。

このように変更した理由の一つには、PR施策のサービス特性が大きく関係します。それは、PRの不確実性の高さです。不確実性が高いとは、どれだけ頑張ろうとも結果につながらないこともあるということです。

契約時にはクライアントは期待を込めて発注しますし、ベンチャー広報としても結果を出せるようにもちろん努力します。しかしながら、思うように成果に繋がらないことがあります。以前のブログでもお伝えしたようにそこには様々な要因が考えられますが、とにかく「絶対に」とは保証できないのです。また、成果云々の前に、そもそもパートナーとしての相性が合わないなんてこともあるでしょう。

私は、そんな時にはすぐに契約を解除して、他のパートナーを探した方がいいと思っています。なぜなら、PRは短期的ではなく中長期的に取り組むべき施策だからです。少なくとも1年、できれば5年10年と着実に取り組んでもらいたいですし、それができる会社を選んで欲しいとも思っています。
この契約内容変更には、 そんな私の想いがあります。

ただ一つポイントとして挙げたいのは、これは「お互いに」ということ。お互いにとは、ベンチャー広報からも契約解除できるようになっているということです。契約継続がお互いのためにならないと判断したときには、解除をお願いすることも出てくると思います。

無理な契約は、誰も幸せにならない

このような契約形態にした理由のもう一つが、私自身がかつてPR会社で経験した苦い思いです。

PR会社で会社員をしていた時、私はとにかく契約継続だけが目的で仕事をするのが苦痛でした。もちろん仕事として受注しているので、結果が出るように精一杯努力します。しかしながら、前述したようにPRは不確実性が高い仕事。状況によっては成果がでないこともあります。

毎月1回クライアントと定例会議をするのですが、成果が出ていない時期の会議は本当に辛いものでした。クライアントからは「なぜ成果が出ないのか」と詰め寄られ、会社側からは、「絶対に契約解除されないように」と言われ続け、メンタル的に追い込まれます。これは多くのPR会社で起きている現象だと思います。契約期間で縛り付けるのは、お金を払っても対価を得られないクライアントにとって決していい事には思えませんでした。

また、社員にとっても絶対に良いことではありません。自分の会社の社員に辛い思いを味わわせることはしたくない。会社は自社の社員が幸せに働ける環境を整えるべきです。

パートナーとして、お互いに良い仕事を

仕事の受発注においては、昔と今ではサービスを提供する側と発注する側のあり方が大きく変わっているような気がしています。かつてはお金を払う側が絶対的でした。つまり「お客様=神様」の思想です。

しかし最近では、良いサービスを提供するサプライヤーの評判はすぐに広がり、仕事の依頼が集中するようになっています。結果、全ての依頼に対応することは難しくなるため、より自分たちの存在が必要とされ、一緒にパートナーを組むことで成果を見込めるクライアントからの依頼を優先して引き受けることも多くなってきているのではないでしょうか。

私たちベンチャー広報も、おかげさまで多くの引き合いをいただけるようになってきました。全てのご依頼にお応えしたい気持ちは山々ですが、リソース的に厳しいこともあります。

そういう時、私たちのことをパートナーと認めてくれるクライアント様とのお仕事を優先していきたい。その代わり、私たちもいつ契約を切られるかわからないという緊張感を持ちながら仕事に取り組む。今回の契約形態変更は、双方に良い緊張感をもたらすことで、パートナーとしての関係性をさらに強化できるのではないかと考えています。

このような改定をしたからには、ベンチャー広報はこれまで以上に満足していただけるサービスを提供していきますし、その自信もあります。PRを担うパートナーとして、短期的にも中長期的にも成果が残せるよう、クライアント様とともに歩んでいきたいと思っています。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人