広報PRを使って「ブランド先行型」で事業を立ち上げるには

広報PRを使って「ブランド先行型」で事業を立ち上げるには

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

もう数年前のネタになりますが、2014年4月の日経新聞の記事を紹介します。

当時は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が最先端の分野として注目されていました。
 
 


 
スマホが自宅の鍵に、ドアノブ握ると解錠、電機大手、若手ら開発。大手電機メーカーの若手技術者らがスマートフォン(スマホ)の無線機能を活用し、帰宅時にドアノブを握ると自動で解錠できる世界初の「スマートキー」を開発した。メールで家族や友人に一時的な解錠権限を与えられるほか、誰がいつ自宅に出入りしたかも管理できる。スマートキーを利用するには、あらかじめドアの内側にあるつまみ部分に専用機器を取り付ける。両面テープを使用し、誰でも取り付けられる。専用機器の価格は1台あたり2万円前後になる見込み。(以下、省略)


 
 
記事中にはありませんが、このサービスの名称はAKERUN(アケルン)といいます。

たまたま、このプロダクトの開発に私の知人が関わっており、色々興味深い話を聞きました。

この記事が出てすぐにWEB上で大きな話題になりました。
(元ライブドアの堀江さんも、「これはいい!」とつぶやいていました。)
即、複数のベンチャーキャピタルから資金提供の申し出があったそうです。

しかし、この「AKERUN」は、家電大手のP社、通信大手のS社、ITベンチャーのG社の若手が、会社の仕事とは別に、週末に集まって趣味的に開発していたもので、掲載当時は会社組織にもなっておらず、実はまだ試作品すら出来ていなかったとのことです。

意地悪な言い方をすると、いわゆる「話題先行」で、中身が何もないというわけです。しかし、ポジティブにみれば、何もないにも関わらず、プロダクトのブランディングができた、ともいえます。

このパターンは、スタートアップやベンチャー企業を立ち上げる際のひとつの理想型と言えますね。

いわば、ブランド先行型の事業創出です。

スタートアップやベンチャー企業の弱点である知名度や資金力不足をマスコミ報道により創業初期段階で解決できれば、その事業の立ち上げはかなりやりやすくなります。

また、自社プロダクトのマスコミ報道が多くの人から注目されるということは、そのプロダクトに新規性や購買ニーズがあることの証明とも言えます。

ちなみに、事業創出が得意な某ITベンチャーでは、新規事業の企画書の中に、
「そのサービスのプレスリリースを書いていれること」が必須条件になっているそうです。

要は、インパクトのあるプレスリリースが書けないような新規事業では、実際にスタートしてもうまくいかないということですね。

これは、皆さんの会社で新規事業を立ち上げたり、新商品を開発したり、新サービスをスタートさせる時も、全く同じことが言えます。

例えば、私のクライアントであるIT企業では、実際にWEBサービスを作る前に簡単なランディングページだけを作り、それをもとにプレスリリースを出して、マスコミの反応や世間での注目度を検証することがあります。

それで反応が良ければ、お金を投資してシステムを開発しますし、反応が悪ければ、そのサービスを没にすることもあるのです。

広報PRをテストマーケティングの手段として使っているわけですね。

何か新しい事業や商品サービスをスタートさせる場合には、その企画段階で、あえて情報をマスコミにリークし、どんな反応があるのか試してみてはいかがでしょうか。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人