スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。
広報担当者であれば、取材や各種イベントなどで経営陣とコミュニケーションを取る機会は多いでしょう。中でも、社長は、広報PRにおいて、最も強力なコンテンツです。
社長のコメントを上手く誘導し、取材をアレンジすることで、狙い通りの記事を獲得することができ、結果、企業や商品のPRが大成功、というケースも、少なくありません。
本コラムでは、経営陣への取材を例に、より効果的な記事を獲得するためのコツをお伝えします。ご自身で直接広報を担当されているという経営陣の方にも、参考にしていただければ幸甚です。
まずは企業理念、ビジョン、事業内容、経営計画などについて深く理解しましょう
広報は、社外の人(主にメディア)に自社を紹介するのが仕事です。
基本的なことですが、そもそも自社がどんな思いを持ってどんな事業をしているのか、そして、何を目指しているのかについて深く理解することが大切です。
商品やサービスはもちろんのこと、企業理念やビジョンなど自社が大事にしていること、会社概要や事業内容といったスペック、経営計画・事業計画を正しく理解しましょう。
アプローチ・取材前には、しっかりと広報戦略や開示内容について摺合せしましょう
次に、取材やアプローチなど具体的な施策に入る前に、経営陣と広報戦略について摺合せをしましょう。トピックは、経営計画・事業計画の中で広報が担う役割、広報戦略、現状のステータスなどで充分です。
いざ取材となれば、一般的なメディアの性質、今回取材されるメディアの特徴、記者の経歴や過去記事、取材主旨、想定質問などを伝えた上で、今回目指す記事イメージとそこから逆算した回答内容を摺合せます。
開示範囲を明確にするために、Q&A(想定質問と回答)を作っておくとよりスムーズです。
経営陣と広報がこの部分をしっかりと共有している企業はおしなべてとてもイメージコントロールが上手く、誰に聞いてもコメントに整合が取れているのでメディアから見た時にも好印象です。
取材中~取材後もスピーカーのフォローを忘れずに
基本的に、取材にオフレコは存在しません。
一度口にした言葉はすべて取材の素材となるので、記事化・オンエア化される可能性があることをスピーカーにしっかりと認識してもらってください。取材に慣れていないと、記者独特の切り込み方に経営陣が戸惑ってしまうケースもあります。
良い精神状態で臨んでもらうためにも和やかな空気になるように進行させ、スピーカーの言葉が過ぎたところや足りないところは適切にフォローしておきましょう。
そして、これは大事なことですが、オンエア・掲載されるまで尺や記事サイズ、論調が分からないこと、重大ニュース等でオンエアや記事がなくなる可能性があることもしっかりと伝えておきましょう。
誤解を受けないためにも、仕事内容について積極的に経営陣の理解を求めてください
あるあるですが、経営陣の取材後に広報が言われがちな台詞に
「あんなに取材に時間を割いたのに、ちょっとしか映らなかった。がっかりだ」
があります。
せっかく志を持って頑張って広報活動をしているのに、単純な摺合せ不足のせいで広報の力不足だと誤解されるなんて、非常にもったいないと思いませんか。
広報はとてもやりがいがある、楽しい仕事です。だからこそ、自身のモチベーションを維持するためにも、経営陣にもしっかりと「広報」をPRしましょう。